異文化体験のクライマックス!? イスラム教の聖地と歴史ある港町をホッピング
2019年、観光ビザが解禁になったサウジアラビア。ようやく扉が開かれたこの国では見るものすべてが新鮮。好奇心あふれるオヤジさんにこそ、おすすめしたいラストフロンティアです。今回は、イスラム教の聖地に立ち寄りつつ、第2の都市ジェッダへ。わくわくする冒険も最高潮に! モテる宿にはワケがある
イスラム教の聖地メディナ。巡礼者の多さに圧倒!
オアシス都市のアルウラを朝8時に出発し、目指すはメディナ。砂漠の一本道を、車は延々と走り続けます。車窓から見えるのは、サンドベージュ一色の景色。道路脇で移動中のラクダの群れを見かけたこともあったけれど、ほぼ変化のない景色をひたすら眺めるのも、ある意味、非日常です。
アルウラから車で移動すること約4時間。お昼頃にメディナに到着。高速道路から見上げるビル群のギャップに混乱するほどの、いきなりの都会です。カップル旅ならメディナでまず目指したいのは、彼女のために髪を隠すためのヒジャブの店。ここは敬虔なイスラム教徒が目指す聖地です。
メディナは、サウジアラビア西部の紅海に沿って広がるヒジャーズ文化圏。預言者ムハンマドがメッカから西暦622年に移り住み、布教を行ったイスラム教の二大聖地のひとつです(もうひとつの聖地はメッカ)。
イスラム教徒の巡礼者が目指すのは、「預言者のモスク」。預言者ムハンマドが築いた世界最大のモスクで、100万人もののイスラム教徒を収容するそう。濃緑のドームの下がムハンマドの墓廟になっているそうです。イスラム教徒以外は入ることが許されません。 ランチは、その預言者のモスクと通りを挟んで向き合う「タイバ・メディナ・ホテル」のレストラン。床から天井までの大きな窓からはモスクが視界いっぱいに広がっています。ビュッフェから料理を皿に取り、席に着くと、あたりの様子が変わってきました。
お祈りの時間のようです。イスラム教徒が一斉にモスクを目指し、その数はまるで渋谷のスクランブル交差点のよう。お祈りが終わると、人の波の向きが変わってモスクから大勢が出てきます。誰かが誘導しているわけでもないのに、その秩序だった行動は美しくもありました。 預言者のモスクの周辺には高級デーツ(ナツメヤシの実のドライフルーツ)を扱う店が並んでいます。メディナのデーツは、日本でいうところのお伊勢参りの「赤福」のようなもの。たしかに名産品とあって、甘さも上品、舌触りもいい感じです。