「はやぶさ2」カプセル内に砂 JAXA会見(全文2)要求値の100ミリグラムは確実
キャッチャーの直径は?
月刊星ナビ:澤田先生に質問ですが、まずは予想以上にサンプルが入っていたということで本当におめでとうございますとお伝えしたいです。今回、公開されました画像で、キャッチャーとその中に入っている数ミリ径の粒子がたくさん見えたんですが、スケールをちょっと確認したいんですけれども、キャッチャーの直径というのはどのくらいなのか。あと、見えている粒子の重さは1グラムという期待を明らかに超えているかどうかというところを伺えればと思います。 澤田:はい、ありがとうございます。私もこういう報告ができて大変うれしいです。キャッチャーの直径ですけども48ミリの直径の筒になっておりますので、そこから、われわれも性格に寸法を測ったわけではないんですけども、そこから数ミリサイズだということは分かっております。あと重さに関しても、私たちが非常に興味のあるところなんですけども、実際まだ正確には分かりません。設計図上、サンプルが入っていると思われる空間はおよそ2ccの空間に詰まっていることが分かっていますので、そこがその空間の比率だとか、一般的な隕石の密度ですね、そういったもので推測をすることはできるんですけども、ちょっと現時点ではそこまで解析を行っておりませんので、何グラム採れたということはご報告はできない状況です。 ですので、ただ、われわれはそのミッションの目標、要求値は100ミリグラムというものが要求値になっておりますけども、100ミリグラムはもう確実にというふうに考えています。 司会:はい、ありがとうございました。続きまして東京とびもの学会の金木さま、澤田、吉川宛てのご質問となります。よろしくお願いいたします。
当初からガス採取は計画に入っていたのか
東京とびもの学会:東京とびもの学会、金木です。音声届いておりますでしょうか。 司会:はい、大丈夫です。 東京とびもの学会:澤田さま、吉川さま、よろしくお願いいたします。まず確認したいのが、今回ガスもサンプルが採れたということですけども、これは当初からガスの採取計画というのはサンプルリターン計画の中に入っていたのかということ。それと、おとぎ話のほうの「浦島太郎」ですと、玉手箱を開けて出てきた煙で年を取るということになりますけども、今回出てきたガスはどのような効果があるのでしょうか。またはどのようなことが期待されるのでしょうか。その辺りのところをお聞かせ願えればと思います。 澤田:ありがとうございます。ガスの件に関しましては隣にサイエンス【****00:36:20】橘さんもいらっしゃいますので、橘さんのほうから説明させていただきます。 橘:はい、橘です。澤田に代わりまして説明をさせていただきます。今回「はやぶさ2」が目指した小惑星はC型小惑星といいまして、炭素や水素や酸素、窒素からなるような有機物、それらからなる有機分子、氷といったものをかつては含んでいた、今も含んでいることが当初から期待されていましたので、そういうものがサンプルの中から出てくる可能性というのは、開発当初から考えておりまして、そのために理学メンバー、こういうシステムを開発したいということで、特に今日参加していますが九州大学の岡崎さんを中心にこういうシステムを開発したいということを澤田さんと一緒になって開発をしていきました。ですので、ガスの採取というのは当初から計画をしています。 今お話のあったリュウグウ、玉手箱の煙という観点で言うと、どういうことが考えられるかと申しますと、揮発性のガスというのは、実は星が生まれる場所とか、惑星がこれから誕生しようとする場所というところに、豊富に存在することが天文観測等でも分かっております。ですので、それを吸って私たち自身が年を取るということはないと思いますが、非常に遠く昔、太陽系の最初のころまで私たちを連れていってくれるようなガスではないかということを期待して、今後の分析を進めていきたいと思っております。 東京とびもの学会:金木です。お答え、ありがとうございました。このたびは誠におめでとうございます。ありがとうございました。 司会:はい、ありがとうございました。続きましてライターの荒舩さま、お願いいたします。澤田さん、渡邊先生へのご質問となります。荒舩さま、音声、聞こえております。 荒舩:聞こえてますか。 司会:はい。大丈夫です。