中止になったアニメイベント「3カ月あれば準備できる」知事発言が炎上 思惑のすれ違いはビンタ騒動に、来年のGW復活に向けた三つの課題
ファンらの怒りの火に油を注ぐ形となったのが、その2日後の後藤田知事の定例記者会見での発言だ。実行委に方針転換を伝えたのが今年2月とした上で「3カ月もあれば準備できる」と述べたのだ。 一連の後藤田知事の対応には、X(旧ツイッター)上で「3カ月で可能というのは浮世離れしたビジネス感覚」などと批判が殺到した。「(前知事の)飯泉氏の功績が気に入らないから、私情でつぶすようにしか見えない」との声もあった。 ▽寂れた商店街、イベントの日は通行量が3倍に マチ★アソビの起源は、JR徳島駅前の「ポッポ街商店街」で開催された06年夏のコスプレイベントだ。商店街には当時、漫画、アニメ関連グッズの専門店「アニメイト」などがあり、徳島のアニメファンの拠点となっていた。 この場所でジュエリーショップを営み、振興組合の理事長を務める杉原正伸さん(64)らが、フランスの田舎町で日本アニメのコスプレイベントに約2万人が集まったというニュースを見て、発案した。
香川県で活動するコスプレグループに声をかけ、商店街の空き店舗を使い、撮影会などを行った。当日、メンバーが商店街を練り歩くことを提案し、盛り上がった。 商店街は1日の平均通行人数が約1400人だったが、イベント当日は約5千人になった。以降、イベントがなくても通行人は2千~3千人まで増えたという。 杉原さんらはグループに徳島にコスプレの文化を伝えて、育ててもらうよう依頼した。イベントは毎年、夏と秋に開催されるようになった。 イベントの一環で、ヒット作「涼宮ハルヒの憂鬱」に出演する声優の茅原実里さんが徳島市の「シビックセンター」でライブを行ったこともある。ライブ後、商店街に移動する予定だったが、見物客が殺到し中止になるほどの人気ぶりを見せた。 このコスプレイベントの成功がマチ★アソビにつながっていく。 ▽徳島が聖地に 2009年4月にはユーフォーテーブルのスタジオが徳島市に進出。徳島市の阿波踊りのポスターにアニメキャラクターを起用するなど、徳島県や徳島市は同社と連携を深め、09年10月にマチ★アソビの開催に至った。同社は19年に法人税などの脱税疑いで家宅捜索されたことを受けて企画業務を辞退するまで、イベント内容のプロデュースを担った。