私は昭和のアイドルでよかったのかも――早見優が50代を迎えて振り返る、超多忙だった10代の日々 #昭和98年
今では、まさにイメージ通りの「ウキウキ性格」。50代も折り返しだが、抜群のスタイル、つやのある髪と肌を保ち、その美しさはとても自然だ。秘訣は、よく歩くこと。時間があれば何キロでも歩いて移動する。ジムに通い、睡眠もしっかりと取る 。 「何か楽しいことを探すと、毎日が楽しくなりますよね。相変わらず音楽は大好き。K-POPにもはまって、ダンスクラスに通ったりしてるんですよ。最近、80年代のラジオをテーマにしたCDの中でラジオ番組に電話リクエストをするラジオ大好きな女の子役として出演したのですが、これも最高にウキウキでした! 若い頃から大好きだったカマサミ・コングさんや小林克也さんも参加されていて、私は本当にラジオ世代ですから、嬉しくて。昭和にはまっている娘たちも、発売を楽しみにしてくれてます」
好きな食べ物は焼き肉なのにクリームソーダと言っていた
今を思い切り謳歌しているとほほえむ早見に質問をしてみた。自由にSNSで情報を発信できる現代と、アナログだった昭和、もしも選べるとしたら、どちらでアイドルになりたいと思うか? 「うーん、どうなんだろう。昭和のアイドルって、どこかすべてイメージを周りから決められていたという面はあるんですよね。例えば、私は当時焼き肉が好きだったんですけど、『イメージがよくないからクリームソーダにしなさい』と言われました。取材では、『本当はカルビが好きなんだけどな……』と思いながら、そう答えてました(笑)。今はそんなこと言ったら、逆に不自然。だから、現代のほうが、自分らしくいられるのかな……と思う。でも、やっぱりあの頃を生きて、ここまでたどり着いた現在なので、私は昭和のアイドルでよかったのかも」 芸能界で長く仕事を続けてこられたのは、周りの人たちに恵まれたからだ、と早見は言う。 20年以上の付き合いを続けるスタッフも多い。 「私はきょうだいもいないですし、最愛の母も私が20代の頃に亡くなってしまいました。でも皆さんに、家族のような気持ちで長く付き合っていただいて、あまり孤独を感じることなく、ここまでやってこられました。どの世界でもそうだと思いますけど、孤独感が一番つらいから」 モットーは、「面倒だと思ったその時に、もう一歩前進すること」。 「龍村仁さんの映画『地球交響曲』の中で、佐藤初女さんという福祉活動家の女性が言っていたことがすごく印象的で。彼女は、『面倒くさい』とか『もうこれでいいや』という言葉が嫌いなんですって。『もうこれでいいや』と思った時に、もう一歩自分にできることはないかと前進すれば、何かが見つかる、と言うんです。20代の頃に、この言葉がとても印象に残って、私ももともと面倒くさがり屋だから、肝に銘じて、これをモットーにしていこうと。でも、何もしたくない日には、もう一日中、大の字で寝てますよ(笑)。そんなメリハリが大切なのかな、と思います」