仕事ゼロでも解散せず30年、ボキャブラ芸人BOOMERのいま #昭和98年
平成の人気バラエティー番組『ボキャブラ天国』でブレークしたお笑いコンビBOOMER。爆笑問題やネプチューンらと肩を並べボキャブラブームを牽引したが、番組終了とともに仕事が激減。一時はゼロになりながらも現在はフリーとして活動を続ける。役者、アイドル、トリオを経てコンビ結成に至った二人はいま浅草の舞台に立っている。昭和生まれ芸人の令和の生き様に迫る。(撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
ボキャブラから30年。BOOMERのいま。
河田キイチ(59)と伊勢浩二(58)のお笑いコンビBOOMERは1990年代に「キャブラー」として人気を誇った。キャブラーとはバラエティー番組『ボキャブラ天国(以降:ボキャブラ)』シリーズ(フジテレビ系)で短尺のダジャレネタを披露する芸人の呼称だ。爆笑問題やネプチューン、くりぃむしちゅー(当時:海砂利水魚)らが人気を博すなどボキャブラブームを巻き起こした。しかし、番組の終了とともにBOOMERは「消えた」。 現在、二人の姿は浅草の東洋館にあった。漫才協会の所属会員として月に5回ほど舞台でコントを披露している。 河田:X-GUN(バツグン)のさがね(正裕)から芸風が合うんじゃないかと言われて、青空球児・好児師匠に挨拶に行ったら「ぜひ来いよ』って言っていただいたんです。 伊勢:ありがたかったですね。続けてるって感じがしますもんね。やめてないぞっていう。 2016年に漫才協会に入会。2021年から河田は漫才協会の理事も務めている。 河田:言葉は大仰ですけど実行委員みたいな感じです。理事会で報告を受けたり会議したり。純烈の酒井(一圭)君とは付き合いが長くて、冗談で「漫才協会入らない?」って聞いたら向こうもノリがいいから舞台に出てくれて。その点では貢献できましたかね。
河田:協会に入ったころは、おぼん・こぼん師匠がまだピリピリしてました。こぼん師匠からの差し入れを『こんなん食うな』って、冗談めかしておぼん師匠が言ったりするのをちょっとハラハラしながら見てましたね。今は本当に仲良くされててよかったです。さすがにおしぼりを投げられたことはないですけど、若いころに怒られたことはありました。テレビ局のメイク室に行ったら横にいらっしゃって、突然だったんで『おざます』って軽い挨拶になっちゃったんですよ。そしたら後で事務所に電話がかかってきて注意を受けて。 伊勢:挨拶はしっかりするようになりましたね。知らない後輩を先輩だと勘違いして挨拶しちゃうこともありますけど(笑)。 所属していた事務所を2020年に離れた。現在は一部業務提携の形をとりながらフリーで活動している。 河田:自分らを拾ってくれた会長が亡くなられたり、若い人たちが入ってきたりと変わってきてたんですよね。スタッフの方が気を使って大変だろうから出ようかとなりました。ちょうど新型コロナ感染拡大の時期と重なったので、コロナ禍で職を失ったと言われるんですけど違うんです(笑)。 伊勢:フリーになる挨拶を各所にした際には『ウチに来ないか』みたいなことを期待したんですけど、なかったですね(笑)。 河田:もうあっさりとしたもんでした(笑)。でもありがたいことに仕事自体は特に変わりなくやれてますね。