アイドルって最強って思えた――新生AKB48のキーマン3人が語る「アイドルを続ける理由」
2005年12月にAKB48が産声を上げてから、もう17年以上になる。選抜総選挙や握手会の開催、日本レコード大賞連覇、『ヘビーローテーション』や『恋するフォーチュンクッキー』などのヒット曲……。その歴史は芸能史を鮮やかに彩ってきた。 そんなAKB48に転換点が訪れている。今年2月、キングレコードからユニバーサルミュージックへのレコード会社移籍を発表したのだ。4月26日に新天地から新曲をリリースする。移ろいゆく時代とともに、AKB48はどんな変化を望んでいるのだろう。新センターを張る本田仁美、研究生から抜擢された平田侑希、AKB48を創設当初から知る柏木由紀の3人がインタビューに答えた。(取材・文:犬飼華/撮影:田川雄一/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
三者三様のAKBへの思い
AKB48は15年間所属したキングレコードからユニバーサルミュージックへと籍を移した。その第1弾シングル『どうしても君が好きだ』の選抜メンバーである3人は、この移籍劇に何を感じているのか。IZ*ONEの活動を経て、2021年5月にAKB48へ復帰し、新たにセンターに抜擢された本田はこう意気込む。 「先輩方が築き上げてくださった歴史があるからこそ今の私たちがあるわけですけど、安定したものを見せていてはファンの方も刺激がないはずです。スクラップ・アンド・ビルドじゃないですけど、殻を破って、自分たちにしかない武器を見せていきたいと思っています。そのために何をしたらいいのか、このシングルを通して見つけていけたらいいですね」
一方の平田侑希は、キャリアは1年にも満たず、経験こそ浅いが、選抜メンバーの16番目の最後の枠を勝ち取った。平田は「私は去年加入したばかりなので何とも言えないですけど、移籍して初めてのシングルは大事なものになると思うので、選んでいただいたからには結果を出したいです」と控えめだ
AKB発足当時から最前線で活躍してきた柏木はAKB48の歴史をこう振り返る。「“ここで変わったな”という明確なきっかけはありました。たとえば、オリコンウィークリーチャートで初めて1位をいただけた『RIVER』は、アイドルが踊るには冒険的な振り付けでしたが、その挑戦で多くの方に振り向いてもらえました。でも、その時点でそれがきっかけだと気づいてきたわけじゃないから、見極めるのは難しいんです。グループの名前は知ってもらえているから、個人にもっと興味を持ってもらえるような活動ができたらいいと思います」 いまや、柏木は個人での活動にも注目が集まる。バラエティー番組に出演したり、ネットの報道番組でMCとして自分の意見を臆することなく発信したりすることもある。 「たとえば、『お風呂が嫌い』という発言も、番組の打ち合わせで話したことがスタッフさんに『それ、ヤバいですよ』って思われて、本番でも話す流れになったんですけど、爪痕を残そうとしているわけではないんです。以前は個人的に好かれたいとか、グループのためになれば、と思っていたけど、今は共演者さんが笑ってくれればいいなと考えるようになりました。ネット配信の番組では最近の話題がトークテーマになることがあります。そこで求められるのは30代女性としての意見なんです。そのためにノートを買って、ニュースを見ながら勉強していますね」