異常気象にストップを。「脱炭素問題」最新情報、日本のCO2排出量4割占める建築分野のカギは”木造化と断熱化”。日本の気候テックに世界が注目 COP29
また、建築分野でも気候テックの革新が進んでいます。大成建設のゼロカーボンビルディングでは、CO2を吸収する新素材や建設過程でのグリーン電力活用が進行中です。木造建築物は、成長過程でCO2を吸収する木材を利用しており、建築後もCO2を固定し続けるため効果的ですが、耐震性・耐火性の向上で高層建築物に利用することも進んできています。さらに、次世代型のペロブスカイト太陽電池は薄くて軽量かつ柔軟性があり、都市部のビル壁面や屋根での活用が期待されています。ペロブスカイト太陽電池は、量産に向けた開発中ですが、国際競争力をあげることで、次世代のエネルギー市場において日本がリーダーシップを発揮する可能性を秘めています」(堅達さん)
借りる・建てる・リフォームする際にできる脱炭素化。気になる補助金は?
革新的な建築技術の今後に期待が高まる一方で、日本の建築分野には解決すべき課題があります。そのひとつが「断熱性能」です。 「日本では建物の断熱性能が他国に比べて低い状況にあります。このため、エネルギー消費を削減し、カーボンニュートラルを実現するための取り組みを加速させる必要があります」(堅達さん) 省エネ住宅の普及は、気候変動対策の重要な柱となっており、経済産業省、国土交通省、環境省の3省が連携し、2050年カーボンニュートラル実現に向けた住宅の省エネルギー化や省CO2化の取り組みを進めています。 遅くとも2030年度までに新築住宅についてZEH基準の水準に引き上げられることが決まっており、段階的な実施が進行中です。
2024年4月から、省エネ性能の可視化を促進するため、新築の住宅や建築物を販売・賃貸する事業者に対し、省エネ性能ラベルの表示が努力義務化されました。 さらに、2024年11月からは、既存住宅を対象とした「省エネ部位ラベル」の運用も開始されています。この制度により、消費者が住宅選びの際に省エネ性能を判断しやすくなり、環境に配慮した選択ができるようになりました。 省エネ効果の高い断熱窓やエコ住宅設備の設置を支援する補助金も提供されています。省エネポータルサイトやデコ活サイトで周知をはかっているので、住まいについて検討する際は、のぞいてみてはいかがでしょう。