異常気象にストップを。「脱炭素問題」最新情報、日本のCO2排出量4割占める建築分野のカギは”木造化と断熱化”。日本の気候テックに世界が注目 COP29
SUUMOでは、2024年4月から新築住宅、2024年11月1日より既存住宅の省エネ性能ラベルの表示を開始しています。「SUUMOリサーチセンター」(2024年6月27日発表)によると、断熱性能が高い住宅は冷暖房効率を向上させることから注目され、SUUMOのサイトでも「ZEH」「省エネ」に関する問い合わせが増加。リフォームにおいても「断熱」や「省エネ」を重視する消費者が増えています。
政府は2024年度中に次期のエネルギー基本計画を策定する予定です。堅達さんは、消費者が環境に配慮した選択を行うことで、市場が変化し、それが政策に影響を及ぼす可能性があると話します。 「断熱性能の高い住宅や太陽光パネルを導入した家は、省エネだけでなく、災害時の備えにもなります。環境に優しい住まいは、自分たちの健康や安全にもつながる。そうした意識が広まれば、社会全体での変化が期待できます。一軒一軒の家が断熱性能を高めることで、省エネルギーの効果は大きくなります。個人の行動が積み重なれば、地球規模の変化を生むことができる。ちりも積もれば山となる、ということですね」(堅達さん) 度重なる自然災害のニュースには胸が痛みますが、「地球を守るためにできることをしている」という実感は、未来への希望にもつながると感じました。住まい選びは、その小さな一歩を踏み出す機会になるでしょう。 ●取材協力 NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー 堅達 京子(げんだつ・きょうこ)さん 1965年、福井県生まれ。早稲田大学、ソルボンヌ大学留学を経て、1988年、NHK入局、報道番組のディレクター。2006年よりプロデューサー。NHK環境キャンペーンの責任者を務め、気候変動やSDGsをテーマに数多くの番組を放送。NHKスペシャル『激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃』 『2030 未来への分岐点 暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦』、NHK民放の6局連動特番『1.5℃の約束 いますぐ動こう、気温上昇を止めるために』はいずれも大きな反響を呼んだ。 2021年8月、株式会社NHKエンタープライズに転籍。日本環境ジャーナリストの会副会長。環境省中央環境審議会臨時委員。文部科学省環境エネルギー科学技術委員会専門委員。世界経済フォーラムGlobal Future Council on Japanメンバー。東京大学未来ビジョン研究センター客員研究員。福井県立大学客員教授。 主な著書に『脱炭素革命への挑戦 世界の潮流と日本の課題』『脱プラスチックへの挑戦 持続可能な地球と世界ビジネスの潮流』。
内田優子