「トイレに行く振りして帰るのが普通」沖縄の飲み会では途中退席で「お先に失礼します」と言わない理由
沖縄での飲み会で注意したい独自ルールとは? 本土の人が、沖縄でビジネスをするとき、ふだんの「常識」が通じず、違和感を覚えることがあります。 実は、その違和感は、沖縄独自の慣習「沖縄ルール」によるものと指摘するのが、本土企業の沖縄進出をお手伝いしている伊波貢さん。 この違いを理解せず、仕事をしても、うまくいかないことが多いのだとか。 「沖縄は日本語の通じる外国と考えるとうまくいく」という伊波さんの著書『沖縄ルール知っておくとビジネスも人間関係もうまくいく!』から、沖縄の「常識」を紹介します。
主賓が遅れてくるなら、先に飲み始めてもOK
本土の方々は、形式や礼儀を重んじる傾向にあるように感じられます。もちろん沖縄の人々も礼儀はわきまえていますが、飲み会や懇親会の席での振る舞いに、その違いを感じることが多々あります。 先日、本土の会社の懇親会に招待されて参加したのですが、トップの方が少し遅れるとのこと。そうするとトップが到着するまでは、参加者全員がお酒も料理も手を付けません。到着しても、挨拶が終わって乾杯になるまでは、待ちの姿勢が続きます。乾杯のあと、ようやく懇親会がスタートするわけです。 これが沖縄の会社だったら、トップが遅れようが、主賓が遅れようが、席に着けばみんな飲み始めます。それでトップや主賓が怒ることもありません。なぜなら、懇親会や飲み会は、大いに楽しもうと思って開催するものですから、形式ばったことはしないのです。むしろ、どうやったら会が盛り上がるかしか、考えていないと言えるでしょう。 ですから、途中退席するときも、「お先に失礼します」などとは言わず、トイレに行く振りでもして帰るのが普通なのです。もちろん、近くにいる方にひと言伝えて帰りますが、形式ばった挨拶などはしません。礼儀知らずと思われるかもしれませんが、挨拶をすることで話を中断させ、盛り上がった雰囲気に水を差すことのほうを嫌うのです。先に飲んでいても怒られませんが、場をしらけさせるような振る舞いをすると、怒られることを覚えておくといいでしょう。