北陸3県で結婚式場「ヴィラ・グランディス ウエディングリゾート」運営、かづ美(石川)が民事再生
(株)かづ美(TDB企業コード:380187284、資本金3300万円、石川県金沢市中屋2-88-1、代表谷口和弥氏ほか1名、従業員79名)は、12月20日に金沢地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、弁済禁止の保全処分および監督命令を受けた。 申請代理人は髙木大地弁護士(弁護士法人関西法律特許事務所、大阪市中央区北浜2-5-23 小寺プラザ12階、電話06-6231-3210)ほか6名。監督委員には小堀秀行弁護士(弁護士法人兼六法律事務所、石川県金沢市小将町3-8、電話076-232-0130)ほか1名が選任されている。 当社は、1986年(昭和61年)創業、87年(昭和62年)7月に法人改組。当初は貸衣装業を手がけていたが、2004年にガーデンウエディング施設の「ヴィラ・グランディス ウエディングリゾート金沢」を開業したのを皮切りに、2006年には富山市内、2007年には金沢の式場に併設する形で「カーサ・ディ・ジェナ」をオープンし、結婚式場運営会社として業容を拡大。さらには、中国・上海に現地法人を設立して海外展開も進めていた。 施設は、チャペルを併設し庭園を利用する形の郊外型結婚式場。自由度の高いプランニングも評価され、地元となる北陸3県においてはトップクラスの業容を誇っていた。2010年に開業した福井市内の式場が通期稼働した2011年6月期には年収入高約25億5700万円を計上した。 しかし、その後は婚礼件数の減少に加え、他地域からの競合施設の進出により、収入高は弱含みで推移し、2019年6月期の年収入高は約17億8400万円にダウン。その間、収益性も低下して赤字を散発していたうえ、不振に陥っていた中国現地法人の清算に伴い大幅な赤字を計上したこともあり、債務超過に転落していた。 新型コロナウイルスの感染拡大以降は、婚礼行事の中止・延期による影響で収入高が大きく落ち込み、大幅な赤字計上が続いた。設備投資に伴う借入金の返済が重荷になり、金融機関に返済猶予を要請し立て直しを図っていたものの、苦しい経営を強いられるなか、自主再建を断念した。 負債は申請時点で債権者約287名に対し約27億400万円。 なお、今後はスポンサーを募り再建を目指す方針。