【不適切会計発覚】創業67年の歯科専門商社ADI.G(石川)が民事再生
(株)ADI.G(フリガナ:エイディアイドットジー、TDB企業コード:380122790、資本金4000万円、石川県金沢市浅野本町1-10-10、代表浅野弘治氏)は、12月16日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日弁済禁止の保全処分命令および監督命令を受けた。 申請代理人は稲生隆浩弁護士(森・濱田松本法律事務所、東京都千代田区丸の内2-6-1 丸の内パークビルディング、電話03-6266-8911)ほか5名。 当社は、1957年(昭和32年)2月創業、74年(昭和49年)8月に法人改組された歯科医療用器械・機材の卸売業者。歯科材料やCTスキャナー、CAD/CAMなどの歯科医療機材を主体に、医療事務処理に使用される各種システムを販売するほか、大手スポーツ用品メーカーとタイアップしたマウスピースなども扱っていた。 仕入れは、国内大手歯科医療品メーカーや代理店で、国内全域の歯科クリニックや総合病院向けに販売。近年はDX事業としてIT補助金に絡めた提案を強みとして、2019年5月期には年売上高約65億400万円を計上した。 しかし、その後は新型コロナウイルス感染拡大の影響から売り上げが減少。このため、歯科医院向けのPCR検査キットの提供を開始したほか、歯科クリニック向けのクラウドサービスに注力して業容低下に対応した。 こうしたなか、2025年5月期に入り過年度より不適切な会計処理を行っていることが発覚。金融機関へ支援を要請したものの、一部の金融機関から同意が得られず、民事再生手続きによる抜本的な再建を目指すこととなった。 負債は申請時点で約64億円。 今後は雇用を維持し、スポンサーを募集・探索して再建を目指す予定となっている。