トラック販売や貨物運送の彦根相互ホールディングス(滋賀)など3社が破産開始 負債合計約69億円
彦根相互ホールディングス(株)(TDB企業コード:500496526、資本金9900万円、滋賀県彦根市西沼波町164-1、登記面=滋賀県彦根市西沼波町164、代表松田孝信氏)と、グループ会社のバリューバンク(株)(TDB企業コード:817008310、資本金1000万円、同所、登記面=同所、同代表)と彦根相互トラック(株)(TDB企業コード:550008539、資本金3000万円、滋賀県彦根市地蔵町210、同代表)の3社は、11月19日に大津地裁より破産手続き開始決定を受けた。 破産管財人は白木優弁護士(せせらぎ法律事務所、滋賀県大津市末広町7-1大津パークビル7階、電話077-511-5858)。 彦根相互トラック(株)の財産状況報告集会期日は2025年3月7日午前11時。 彦根相互ホールディングス(株)は、1997年(平成9年)9月創業、2001年(平成13年)7月に法人改組された中古自動車卸売業者。オートオークションによる中古自動車の売買を主体に、自動車整備なども手がけていた。欧州車を中心に高級国産車も販売し、2019年6月期には年売上高約71億5500万円を計上していた。 しかし、2020年以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、想定以上に販売台数が低下。2020年6月期の年売上高は約54億6000万円にまで減少し、営業損益段階から赤字を計上していた。その後は、消費者が3密(密閉・密集・密接)を避ける移動手段として自動車需要が高まり、当社においても売り上げは回復基調にあった。一方で、半導体不足による自動車生産の停滞から中古自動車需要が急激に高まったことで仕入れ価格が高騰し、運転資金需要が増加。金融機関からの借入金に頼らざるを得ない状況が続いていた。 そのようななか、過去の決算における不適切会計が発覚したことで資金調達環境が悪化。取引先への支払い遅延が散発するなど、信用不安が高まり実質的に事業を停止。2024年2月27日までに債務整理を弁護士に一任していた。 バリューバンク(株)は、2012年(平成24年)10月に設立。日本で就労する外国人技能実習生の法定研修事業などを手がけるほか、関係会社からの所有不動産の賃貸収入や配当金収入なども得ていたが、新型コロナウイルス感染拡大以降は、技能実習生の研修需要が急減。研修施設として購入していた滋賀県や山形県の物件に対する設備投資負担が重荷となっていたなか、彦根相互ホールディングス(株)に連鎖した。 彦根相互トラック(株)は、1955年(昭和30年)9月に設立されたトラック販売および貨物運送業者。2018年1月に彦根相互ホールディングス(株)の100%子会社となっていた。トラックや重機といった事業用中古車両をオートオークションなどで仕入れ、運送業者などに販売し、付帯して車両整備事業なども行っていたが、グループ全体の信用不安が高まり、当社においても、2023年6月に社有不動産が差し押さえられるなど厳しい経営状態に陥っていた。この間、事業譲渡を模索していたものの奏功せず、当社は2024年3月末日までに全従業員を解雇、6月18日に債務整理を弁護士に一任していた。 負債は彦根相互ホールディングスが債権者約52名に対し約36億4780万円、バリューバンクが債権者約24名に対し約9億6980万円、彦根相互トラックが債権者約54名に対し約23億5259万円、3社合計で約69億7019万円。