税金を食う〈売れない斜面国有地〉に新たな息吹を!畑に変え人を呼び込む九州初の挑戦【長崎】
長崎放送
管理者を失い「国有地」となった土地の管理。斜面地が多い長崎市では、「斜面地の国有地」の管理が今、大きな課題となっています。そんな「売れない土地」を農園に変え、人と自然をつなげ、人と人がつながろうとする挑戦の現場を取材しました。 【写真を見る】税金を食う〈売れない斜面国有地〉に新たな息吹を!畑に変え人を呼び込む九州初の挑戦【長崎】 【住吉アナウンサー(以下:住)】長崎の暮らし経済ウイークリーオピニオン。平家達史NBC論説委員(以下:平)とお伝えします。テーマは「国有地の有効活用~斜面地を農園に!~」です。 ■国有地とは 国有地とは「土地の所有権」が国民から国に移った土地で、県内では長崎財務事務所が管理することになった土地のことです。 【住】国民の土地は、どういった場合に国に所有権が移るのでしょうか? 【平】主に2つのケースがあります。 (1)1つ目は「物納」です。国の税金はお金で納付することが原則ですが、相続税に限り、金銭での納付が困難な場合は、一定の相続財産、~今回の場合は土地ですが~、納付ができます。 (2)2つ目が、去年4月に施行された「相続土地国庫帰属制度」を利用した所有権の移転です。例えば、「遠くに住んでいて土地の利用予定がない」などの理由で土地を手放したい人に対応するための制度です。これは、所有者不明の土地の発生を防止することにもつながります。 県内では、去年88件の申請があり、今年9月末現在で20件の土地の所有権が国に移転され、国有地となりました。 【住】国有地となった土地はどのように管理されているのでしょうか? 【平】国や地方公共団体などからの利用要望を聞いた上で、要望がない場合は、一般競争入札で売却しますが、売れない場合や、売れる見込みがない土地は、長崎財務事務所が管理することになります。 しかし、その管理が大変だと言います。長崎財務事務所の種村管財課長に管理の難しさを聞きました。 ■何が大変?国有地の管理 長崎市の斜面地にある「国有地」に案内してもらいました。売れなかった土地を管理している、長崎財務事務所の種村陽子管財課長です。