税金を食う〈売れない斜面国有地〉に新たな息吹を!畑に変え人を呼び込む九州初の挑戦【長崎】
「大変ですね。日頃の運動不足がきますね」 「物件ここです。お疲れ様でした。」 長崎港を一望できる広さ116平方メートルのこの土地は、県外在住の相続人からの依頼で、ことし7月、国有地となりました。 財務省福岡財務支局長崎財務事務所 種村陽子管財課長: 「他に道はないのか…という場所ですね。長崎市内では、斜面地に所在する土地の申請がかなり多い」 草刈りなどの管理は、近隣住民への影響を踏まえて、国有地ごとに優先順位をつけて行っています。「建築基準法」の要件を満たさず建物が建てられない土地は、一般競争入札に出しても売れる見込みがないため、長崎財務事務所が管理を続けています。国が所有する土地が増えると、その分、管理コストもかさみます。 財務省福岡財務支局長崎財務事務所 種村陽子管財課長: 「主に草刈りや巡回、侵入防止柵の設置などが挙げられます。管理コストは、国民の税金で賄われていますので、いかに抑えていくかは財務省にとっても課題となっています」 ■売れない土地を「生かす道」 管理コスト削減のため、国はおととしから、市民団体などに管理を委託できるよう制度を変更し、利用団体などを募っています。 財務省福岡財務支局長崎財務事務所 種村陽子管財課長: 「売却できるものは売却していくということが基本のスタンス。でも売却もできない、またその暫定活用もできない、一時的な貸し付けも行うことができない財産については、『暫定活用として管理を委託する』ということで管理コストの削減を図っていきたいと考えております」 【住】管理委託制度を利用する団体や個人が県内にあるんでしょうか? 【平】今月、長崎市で斜面地の活用策を考える市民団体が九州で初めて、この制度を使って、2年間国有地の管理をすることになりました。 国有地を使って農園を作る計画です。市民団体「長崎都市・景観研究所」の平山所長に、その目的などを聞きました。 ■国有地を畑に その狙いは? 長崎市の斜面地で育った野菜です。市民団体では、3年前から、長崎市内の自治会が管理する土地を借りて農園を整備しています。