注目集まる日銀次期総裁の金融政策 黒田体制最後の3月会合でサプライズ変更はあるか?
金融政策とコロナとの切り離しも進む?
また筆者は、政府と日銀が政策態度の足並みを揃える必要があるという点において、新型コロナの感染症法上の分類変更が重要であると認識しています。日銀は2020年4月から「当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している」というフォワードガイダンス(政策指針)を声明文に記載していますが、ここへ来て金融政策とコロナ感染状況を紐付けることの違和感は増しているのは事実であり、いつまでもコロナを理由に緩和姿勢を維持する方針を掲げておくことは不自然になりつつあります。 ちなみに内閣府の月例経済報告(2023年1月)に目を向けると、景気の基調判断や政策態度を示す文章に、日本国内のコロナ感染状況に関する記載はありません。「新型コロナウイルス感染症」が政策態度の文面から削除されたのは2022年10月です。そろそろ日銀もコロナ離れを検討するのではないでしょうか。だとすれば、YCC終了の可能性が高まっていると判断するのが自然に思えます。
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