汚い、臭い、公共トイレを日本一美しく!トイレ清掃のプロ集団が考える“きれいの極意”とは?
――これまで受けたよい反響の中で、もっとも印象的なことはなんですか。 ミント:大阪にある小学校の子どもたちから、「どうしたらトイレがきれいになるか」と連絡をもらい、交流が始まったことです。その学校はトイレが古くて、本当に汚かったらしく、トイレに行くのを我慢していて、授業に集中できない子どもが多かったそうです。 半年ほどメールやオンラインツールを使って、掃除の仕方やトイレの使い方などについてやりとりをしていたのですが、何度も子どもたちから「大阪に来てほしい」と言われていたんです。 ただそこまで簡単に行ける距離ではありませんし、スケジュールの調整などいろいろな問題があってなかなか行くことができませんでした。 大井:でも、僕はその子どもたちの思いを聞き流すわけにはいかないと思い、2024年3月にアポイントもなしに行くことにしました。子どもたちにずっと来てほしいと言われていたので、そういう願いは叶うものだと伝えたかったんです。 突然の訪問にもかかわらず、本当に熱狂的に迎えてもらって、とてもうれしかったですね。今でもずっと交流は続いています。
次に使う人のことを想像してトイレを利用することが大切
―――きれいに維持することが難しいという、公共トイレの難題を解決するために、私たち一人一人ができることはどんなことでしょうか。 大井:やはり、一人一人が次に使う人のことを想像しながらトイレを使うことだと思います。最近は、奥多摩という場所柄かトイレにバーベキューのごみを捨てていく人が増えていて、本当に困っています。 あと皆さんに伝えたいこととして、トイレを使うときの何気ない行為が、トイレを汚す大きな原因になるんです。その行為を、僕たちは「シャンシャン」と呼んでいます。 主に男性トイレの話なのですが、手を洗ったあとに、手を振って床に水を飛ばす人がいます。そうすると、その水が靴の裏に着いて、便器まで運ばれる。そして、その水が尿の汚れに見えて、踏みたくないから便器に近づかないまま用を足し、さらに汚れやすくなるという負の循環があるんです。 ですから、皆さんがハンカチを持ってトイレに入るだけでも、トイレ内の環境は大きく変わると思うんです。まずは簡単なことから始めてみてもらえたらと思いますね。