スバルの新型クロストレックはトヨタ式の最強ハイブリッド!泥まみれで4WD性能をチェックしてきた
加速が強力すぎる!オーバースペックか?
案の定、舗装された駐車場で加速してみると強力な加速を示します。でも、フェンスが迫ってくるので、すぐにブレーキです。 これが高速道路であったなら、そのまま中高速域での加速の伸びなどドライバビリティを試せたのですが、狭く、短い距離を多くのクルマとともにせわしなく走ったので、最後のところまではわかりませんでした。 本来はリアルワールドでの長距離走行を得意とするはずのスバルの長所を感じられなかったかもしれないので残念でした。
現行型e-BOXERはかなりバランスが良い
演出なのかもしれませんが、駐車場ではエンジン音が大きめに聞こえました。演出ではなかったとしても、大きめのエンジン音は抑えるべきでしょう。意味がありません。大きな音をスポーティだとか、高性能の象徴のように扱うのは幼稚なことです。 その点で、マイルドハイブリッド方式の現行型e-BOXERのバランスの良さが再確認できました。ストロングハイブリッドほどのパワーはありませんが、かえってスバルが常套句にしている「意のままにクルマを操る」感じが顕になっていました。 クロストレック全体の美点のひとつは、「XV」時代から適正なボディサイズと形状を守り続けていることです。やや装飾過剰なところもありますが、車高を上げたり、前後長を伸ばしたりしていないのはスバルの良心でしょう。
気になった点
不満点も短い試乗中にありました。 ◆EV走行モードが選べない ひとつは、電気だけで走るEVモードに切り替えられなかったことです。開発スタッフに確認すると、「充電量が不足しているから」とのことでした。これがリアルライフでも頻発するようでしたら、もしかすると実生活ではストロングハイブリッドのメリットを享受しにくく、使いにくいのかもしれません。いずれにしても、ナンバー付きのものをある程度の時間と距離を乗ってみないとわかりません。 ◆充電優先モードが選べない もうひとつは、充電を最大限に行なう走行モードが設けられていない点です。例えば、深夜や翌早朝に出発することが予定されているキャンプサイトに向かう途中で充電量が少ない場合に、事前に走行中に十分な量の充電を行なえるようプログラミングされたモードのことです。これがあると、自然の静寂の中でエンジンノイズを響き渡らせることなく、電気の力だけで無音で立ち去ることができるのです。 ストロングハイブリッド方式なのですから、充電やEVモードに関して柔軟性があって然るべきでしょう。