コロナ禍の世界に“見送り方”問う映画 全キャストオーディション開催
制作にはコロナ禍ならではの工夫も必要
コロナ禍、作品は俳優たちの活躍の場所としても貴重。キャストが決まれば撮影となるが、スペインクルーがまだ日本に入国出来ない状況だ。 シモエダ:ワクチン接種の進捗状況にも関連すると思いますが、現在はクランクイン2週間前に入国しまず隔離。出国72時間以内にPCR検査を受け本国が求める証明書を書いてもらい2週間おとなしくしてそれから撮影、ということでなければスケジュールを組めません。宿泊も相部屋ではなくシングルの部屋に一人ずつ。現場でも衣装とメイクを同時に同じところに入れられないし、ソーシャルディスタンスを守る必要があり製作費も3~4割は上がるという課題もあります。 湯浅:でも進める中で、いろいろなところで味方になってくれる、応援し協力してくれる方が増えていることは嬉しいですね。 シモエダ:こんなときに映画作りとは「なかなかクレイジーだね」って言って応援してくれるんです。私たちもこの作品を世界に向けて問いたいし、役者さんたちも世界をフィールドにチャレンジしたい方がいらっしゃるはず。私たちと一緒にチャレンジしてくれる方と出会えたらいいなと。 湯浅:だから進んで来られていると思うんです。コロナ禍では俳優さんたちがお芝居できる機会も限られていますし、ぜひ多くの方にオーディションに参加していただけることを願ってます。有名でも有名でなくても、出演したいと思ってくださった俳優さんたちがPKFPを楽しんでいただくことができれば「こういう映画の作り方もいいね」ってなっていけると思っています。 映画作りはいつの時代にも夢のある大仕事。PKFPはコロナ禍という苦難に見舞われたが、着実に一歩ずつ進んでいる印象だ。オーディションで決まるキャストなどこれから作品に関わってくる人々も含め映画作りに携わる人々の情熱の連鎖が、作品という形に結実するまで見届けたい。 (写真と文:志和浩司)