コロナ禍の世界に“見送り方”問う映画 全キャストオーディション開催
プロジェクトが始動するも世界はコロナ禍に
意気投合した2人はやがて実際の仕事でタッグを組む。 シモエダ:PKFPはじめいろいろなことが同時進行する中で私も参加させてもらうようになりました。1つ前の『Coming Back Sunny』(邦題:おかえり、カー子)という湯浅さんのオリジナル短編で初めてお仕事をさせていただき、私は国際的な部分を担当しまして。 湯浅:そんな流れの中でアメリカに行くタイミングもあり、PKFPはアメリカのエグゼクティブプロデューサーが入りスタートしました。そのあとシモエダさんに入ってもらい、そんなときコロナがきてアメリカの方は参加できなくなったんです。 シモエダ:最初はアメリカで資金調達する方向で話を進めたのですが結局“ふたりぼっち”に…。ただこの企画は湯浅さんが3~4年前からあたためていたもので、そして今だからこそやっぱり「やろう」と。 湯浅:難しいのは重々承知ですが「進んでみよう」と。 シモエダ:湯浅さんの作風と企画内容はわかっていたので私の知り合いの中から座組をしたのですが、それがスペインクルー(撮影監督ビクトル・カターラ・ゴンサーロさん、音楽監督ジョアン・ヴィラ・モルさん)。彼らも韓国の富川(プチョン)の国際映画祭で出会った人たちです。 湯浅:私は彼らとはまだ実際にはお会いしていませんしミーティングもリモートですが、チームビルドはうまくいっています。
海外の共同制作パートナー決定、カンヌマーケットへ
制作が具体化する中、先日シンガポールとロンドンに拠点を置く制作・配給会社108MEDIAが共同出資を含めた海外配給・販売パートナーとしてPKFP参加を決定した。同社はシンガポール、ロンドン、トロント、ロサンゼルス、マニラ、東京にオフィスを構え数多くの国際共同制作やグローバルなコンテンツ開発に関わってきた。7月に開催されるカンヌ国際映画祭連動の映画マーケット(マルシェ・ド・フィルム)で世界に発信、プリセールスを開始する。当初は日本・スペイン合作でスタートしたが同社の参加で日本・スペイン・シンガポール合作の3ヵ国共同制作に発展。そして今後、全キャストをオーディションで決める。キャスティングプロデューサーは笹山まきさん。湯浅さんが制作会社にいた頃ドラマの仕事を通し出会い、10年以上の付き合いになる。キャスティングに携わるのは今作が初めてだ。 笹山:2009年の1月クール、「RESCUE~特別高度救助隊」というTBSのドラマに私が当時在籍した芸能プロダクションで担当していた役者が出演していて、そのとき湯浅監督がアシスタントプロデューサーで。 湯浅:会社の仕事を母体に知り合い、長く付き合いが続く人は少ないしありがたいです。この作品でどんなキャスティングを求めていくべきか考えたとき、一番合っているキャストをフラットに選べる形が良いと。そんな中、キャスティングの考え方や「作品を世界に持って行く」という視点を受けとめてくれる人がいてくれたら嬉しいなと、笹山さんの顔が思い浮かびました。 シモエダ:経験はなくてもフラットにシンプルにキャスティングについて真剣に向き合ってくださる方なら、むしろそのほうがありがたいです。 湯浅:オーディションに参加してくださる皆さんには、コロナ渦なのでちゃんとしたプロフィールをご自身で作っていただきそれをもとに一次選考。あとはリモートと、最終的には対面でのオーディションへ進む形を考えています。また対面のオーディションは、東京会場とメイン撮影地である岡山会場とで行うことにしています。 シモエダ:まずは「私はこういう演技が出来ます」っていうことが伝わる表現集のような動画、アクティングリールを用意していただこうと思います。 オーディション詳細についてはPKFP公式Facebookページで紹介するそうだ。