阿部寛「ドラゴン桜」クライマックスへ 個性的な生徒役キャストも注目集める
阿部寛主演ドラマ「ドラゴン桜(ドラゴンざくら)」(TBS系、日曜・午後9時)が人気だ。三田紀房氏の漫画「ドラゴン桜」が原作で、前作は2005年7月~9月にかけて放送され韓国でもリメイクされるなど広く人気を博した。今作は同じ三田氏の「ドラゴン桜2」を原作に約16年ぶりの続編、第2シリーズとなる。ヒット作に恵まれてきた阿部にとっても代表作の一つ。27日には15分拡大で最終回を迎えるが、果たしてどんな作品なのか出演者の魅力とともに振り返りたい。(以下ネタバレあります)
元教え子役を長澤まさみが好演
同作は阿部演じる元暴走族リーダーで弁護士の桜木建二が低偏差値の高校生をはじめ個性的な生徒たちを東京大学(以下、東大)に現役合格させる過程を描く。数々の出来事とともに紡がれる登場人物たちの葛藤や成長が見どころだ。龍山(りゅうざん)高校を舞台とした第1シリーズも原作と異なる展開となったが、第2シリーズでは龍海(たつみ)学園を舞台にさらに大胆にドラマオリジナルの設定や要素が付加され、学園売却問題も物語の重要な柱の一本となっている。 阿部は数々のドラマで主演を務めもはや役者としての貫禄十分、作品を力強く牽引する。彫りの深い濃い目のルックスだが56歳にして青年的な爽やかさを醸し出す瞬間があり、フレッシュな生徒役のキャストたちとのからみも自然だ。また、とくに今作では行方不明の桜木を見つけ経営破綻寸前の龍海学園へ連れてきた元教え子で部下・水野直美役の長澤まさみの存在が大きい。長澤も前作から続いての出演だが、気がつけば20年以上のキャリアを重ねてきた。安心して見ることのできる役者になった。そして生徒役キャストも約1000人からのオーディションで選ばれただけに新鮮味のみならず、それぞれに個性が光る。
キンプリ高橋、南沙良、平手友梨奈ら選び抜かれた生徒役キャスト
偏差値28の学年最下位ながら桜木が受け持つ東大専科に入った瀬戸輝を演じるのは、King & Princeでおなじみの高橋海人(たかはし・かいと 高は、はしごだか)。これといって夢も希望も持たない学生だった瀬戸だが、学園近くのラーメン店を一人で切り盛りする姉を手伝う優しい一面も見せる。20日放送された第9話では納得いく成績が出せず悔し涙を見せるシーンがファンの反響を呼んだ。 早瀬菜緒役の南沙良(みなみ・さら)はいま19歳、今作が民放連ドラ初出演で大きなステップアップになりそうだ。菜緒は何不自由なく仲の良い家庭で愛情いっぱいに育ったが、これまで何かを頑張ったことがなく飽きっぽい。ワケありの大きな問題を抱えているわけでもなく演じることはかえって難しそうでもあるが、華のある美形のルックスとともにネット人気も急上昇中だ。 難しい親子関係を抱えバドミントンと東大受験の狭間で苦悩する岩崎楓は、表現に対するストイックな姿勢がかねてより話題になってきた平手友梨奈(ひらて・ゆりな)にフィットした役柄といえる。平手は中学時代にバスケットボール部に所属していたというから、その経験も役作りにプラスになっているかもしれない。緊迫感の表現が見事だ。アイドル時代から考えるとキャリアは5年を越え今月25日に20歳の誕生日を迎える。今後どこまで演技を磨いていけるか、俳優としての活躍に期待したい。