アントニオ猪木、アリ戦の記念日に語る「明日はもっと元気に」
入院中のアントニオ猪木が26日にファンクラブ「闘魂猪木塾」メンバーとのイベントにリモート出演、その模様がYouTube公式チャンネル「最後の闘魂」チャンネルで公開された。猪木は2019年秋に難病とされる「心アミロイドーシス」を発病。その後も今年1月には腰の治療のため入院生活に入り、あと一歩で治療が終わるというところで今月には腸捻転を起こし再入院となるなど体調面での心配が続いている。そんな中、26日のリモート出演ではあらためて快方に向けての意気込みを語った。
ジョークもまじえ復活に意気込み
12日に公開された動画では「腸が剥がれちゃったみたいで、また再入院してます」と腸捻転で再入院となったことを報告したが、笑顔ながらもかなり弱った口調でファンも心配していた。しかし19日の動画ではやや回復した様子で屈伸運動や軽いストレッチなどリハビリに頑張っていることを報告。厳しい状況ながらも一日でも早く退院したいと強い気持ちを語っていた。 そして26日は、1976年に日本武道館でプロボクシング世界ヘビー級王者(当時)モハメド・アリとの格闘技世界一決定戦が行われてからちょうど45周年の記念日。ファンクラブ「闘魂猪木塾」のメンバーとのイベントが開かれ、猪木が病室からリモートでファンと対面。スマホの画面越しながら「元気ですかー!」と猪木十八番の掛け声に拍手が起きた。 赤いストールをかけた猪木は「ここんとこいろんな経験をさせてもらって、早くこっちの世にこいよという人もいるし、まだまだお前やることがあるからそっちにいろよとね、おれ自信も自問自答しながらこの病院で天井を見ながら」と話し出す。この日はファンに元気な姿を見せたい一心か饒舌な猪木。5月になくなった作曲家の小林亜星さんが手がけたCM曲の一節を替え歌で「この木なんの木、気になる木。猪木です」などと歌うジョーク攻撃でファンを爆笑させた。 入院生活については「一人で話し相手がいない。大きな声出しちゃいけない。本当に人の声を聞くと嬉しくなるような経験をさせてもらってます」と寂しそうな様子も吐露したが「ここに入院したときはぎりぎりの線だったみたいで。あとで先生方が言うんだよね、いやーあのときはこうでした、ああでした…。でもこうやって今日も生きている。また明日はもっともっと元気にがんばんなきゃいけない」と語った。 さらにこの日はかねてから取り組んでいる環境問題にも言及するなど、復活に向けて意気込んだ。 【猪木・アリ戦】 1976年6月26日に「格闘技世界一決定戦」として日本武道館で行われた一戦。新日本プロレスのアントニオ猪木がプロボクシング世界ヘビー級王者のモハメド・アリと異種格闘技戦で3分15ラウンドを戦い引き分けた。当時は前宣伝となるような特別番組も組まれるなど、大きな話題を呼んだ。試合は猪木がほぼリングに寝た状態でアリの足を蹴る作戦をとったため、当時一般的に期待されたようなスペクタクルな展開にはならず、メディアを含め「凡戦」と揶揄されてしまった。しかしその後、格闘技興行などが普及するにつれてこの試合を真剣勝負として再評価する声が高まった。 (写真と文:志和浩司)