日本国民全員が1年に5食も食べている…おなじみの「国民的冷凍食品」に隠された「スゴすぎるこだわり」
時短レシピの定番食材
2010年代後半から浸透しはじめた“時短レシピ”“レンチンレシピ”はコロナ禍を経て、いっそう一般的になっていった。SNSを開けば「ボウルひとつでできる」「包丁を使わない」といった言葉が躍り、保存の効く食品をフル活用したシンプルでおいしいレシピの数々が紹介されている。 【写真】おなじみの「冷凍うどん」に隠された「スゴすぎるこだわり」 そうしたレシピのなかでお馴染みの食材こそ、冷凍『カトキチさぬきうどん』である。個包装のうどんをレンジに入れると、約3分半ほどで茹でたてのようにコシのある、美味しいうどんを味わえる。さらに、鍋の〆や余った汁ものには凍ったまま入れて1分加熱するだけで、出汁の旨味を吸った味わい深いうどんができる。
1年で6億食製造
製造はテーブルマークが行っているが、その製造数はなんと1年間で6億食以上。単純計算をすると、日本国民の全員が1年間に5食も食べていることになる。この数字は「最大の冷凍麺ブランド(最新年間売上)」としてギネス世界記録TMにも登録された。(※対象期間:2023年1~12月) 「カトキチの冷凍うどん」の歴史は1974年にまで遡る。テーブルマークの当時の社名は「加ト吉」で、香川県観音寺市に本社があった。讃岐うどんは1988年の瀬戸大橋開通を機に知名度が上がっていき、全国的にメジャーな食べ物となっていったが、当時は県外では今ほどは知られていなかった。この美味しさを全国に広めたい、という思いから、水産品の製造加工を主としていた「加ト吉」で新たに冷凍うどんの製造がはじまったのだ。 その後、じわじわと製造数を伸ばしていき、1992年には1億食を突破。さらに2008年には1人暮らしにも便利な個包装にリニューアル。2011年にはレンジ調理に適したピロー包装に変更された。これによって、レンジ調理による袋の縮みがほぼなくなり、加熱したてのうどんをより安全に取り出せるようになった。2010年には新潟県に工場を新設。それまでは香川県内にのみ工場があったが、より首都圏へ製品を配送しやすくなった。