ゴッホもモネも全作品撮影OK!デトロイト美術館展、豊田・大阪・東京で開催
「デトロイト美術館展~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~」が4月27日~翌1月21日、豊田・大阪・東京で開催される。モネ、ドガ、ルノワール、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ、マティス、モディリアーニ、ピカソなど、ヨーロッパ近代絵画の巨匠たちの絵画52作品が一挙に来日。米国のデトロイト美術館と同じく、来館者による全作品写真撮影を許可(期間・曜日・時間帯により制限あり)という、今までの美術展にはなかった試みもある。 29日、東京都内で行われた記者発表会には、同展監修の成城大学名誉教授・広島県立博物館館長の千足伸行さんと作家の原田マハさん、女優の鈴木京香さんが登壇した。
「52作品の展示はけっして多いとはいえません。けれどもすべてが見応えある作品なので、最後まで緊張感を持って観られます」と千足さん。 印象派からはモネの『グラジオラス』やルノワール『座る浴女』など。ポスト印象派はオランダからパリに出てきてモデルを雇うお金もなく、友達もいないゴッホが描いた『自画像』など。あまり日本では紹介されていない20世紀のドイツ絵画では作曲家グスタフ・マーラーの元恋人、オスカー・ココシュカの『エルサレムの眺め』やエルンスト・ルードヴィヒ・キルヒナーの『月下の冬景色』。20世紀のフランス絵画ではマティスの『窓』、ピカソの『読書する女性』などが展示される。 米国ミシガン州にあるデトロイト美術館は1885年に開館し、自動車業界の有力者らの資金援助を通じて、世界屈指のコレクションを誇る。ゴッホやマティスの作品を米国の公共美術館として初めて購入したのも同美術館だ。 デトロイト市は2013年7月、財政破綻し再建のために同美術館の収蔵作品が売却することになった。しかし国内外の援助や市民の寄付により危機を逃れた奇跡のコレクションなのだ。
原田マハさんは、そんなドラマチックなデトロイト美術館をモチーフにした小説『デトロイト美術館の奇跡』を芸術新潮5月号より連載を発表するという。美術をテーマにした小説を多く執筆している原田さんは、キュレーターとしてニューヨーク近代美術館に派遣された経験もある美術作品の目利きだ。同展でいちばんのお気に入りは、小説にも登場するポール・セザンヌの『画家の婦人』。 「額に入れられていないので、セザンヌのタッチの立体感が楽しめます。等身大でまるで生きているよう。オルタンス(描かれているセザンヌの妻)と向き合っているみたいです」