「子どもを産みっぱなし」で施設に預けておきながら、「他人にあげるのは嫌」と養子に出すことも拒否…それでも親を待ち続ける子どもたちの痛ましい現状
特定妊婦とは
特定妊婦という言葉を聞いたことがあるだろうか? 特定妊婦とは、出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦のことだ。 【マンガ】たまたま見かけた裏アカで「妻らしき人物」が… 主に収入が安定せず、貧困状態にある、未成年の若年妊娠、パートナーからのDV、知的・精神障害などで育児困難が予想される妊婦のことを指す。 2010年に設立され、2012年6月に茨城県にて『特定非営利活動法人』として認証された国内優先型の特別養子縁組団体であるBabyぽけっとでは、特定妊婦の出産サポートと、子供を授かれなかった夫婦をマッチングさせ、養子縁組の仲介とあっせん事業を行っている。 Babyぽけっと代表である岡田卓子さんも特別養子縁組で子供を迎えた一人だ。 もともと里親を10年経験したことで、こういった団体を立ち上げたという。
前途多難な道のり
Babyポケットは特定妊婦の自宅出産と、シェルターでの出産のサポートをしている。他の団体のシェルターと比べて「だいぶ自由です」と話す。 「ご飯は自分で作って、タバコもアルコールも禁止。だけど、吸わないと余計に精神的におかしくなるなどの場合は、本数を減らして外のベンチで吸ってもらうこともありますが、基本は禁止です。行政の施設は携帯すら没収するところもありますが、うちはWi-Fiつけました(笑)。最近の子は携帯が生命線だから『電波がない』とご飯を食べれなくなった子もいて。元気に出産するには、ストレスは大敵ですから」 この活動を始めて20年。立ち上げ当初は大変なことも多かったようだ。 「夫婦は子供を迎えたいって思っているのに、親や兄弟が大反対して『やっぱり親が大反対しているので辞めます』と泣く泣く諦める夫婦も多かったですね」 また「養子にいける子は幸せですよ」という。これは日本の戸籍の仕組みにも問題がある。 「別に乳児院や施設が一概に悪いわけではありません。どうしても金銭的なことや病気などで、一時的に育てることができない人はいますし、そういうケースは仕方がない。でも、そうじゃない人もいるんです」