「子どもを産みっぱなし」で施設に預けておきながら、「他人にあげるのは嫌」と養子に出すことも拒否…それでも親を待ち続ける子どもたちの痛ましい現状
生みの親と子供の再会
告知は1回だけではなく、なんと3歳までにはスタートし時間をかけて何回も行うようだ。 「生みの親の写真を見せて『このママが産んでくれたんだよ』と伝えるのです。『あなたは望まれて生まれてきたけど、ママには事情があって育てたいけど育てられなかった』という事情を理解してもらうことが大切。子供に『自分は捨てられた』『邪魔だったのか』と思わせないように、生みの親の母と育ての母がいて、どちらからも愛されていることをじっくり伝えます」 また生みの親が望めば子供の成長を確認することも可能だという。 「希望すれば定期的に子供のアルバムや手紙を送っています。夫婦だけではなく祖父母や親戚に可愛がられている姿を見て安堵して、子供を手放してしまったという後悔の念が薄くなる子もいますね」 さらに【真実告知のシンポジウム】もあり、1年に10組ほど生みの親と子供を会わせているそうだ。 「これは望めば誰でも会わせるということはなく、あくまで母親が自立して自活できている場合のみです。家がない、仕事がないなんていう状態だダメ。『子供に会って恥ずかしくない母親になれたら会いましょう』と」
幸せになれる子供を増やしたい
岡田代表は以前、国際養子縁組のマッチングも行っていたようだが「色々と日本は遅れているし、ハードルが高い」と話す。 「向こうはある程度のハンディギャップを個性と捉えるし、日本ほど他人からどう見られているかを気にしていません。例えばスーパーでよく会うレジの人に『あれ子供生まれたの?』と聞かれて『養子なんです』と答えたら『私も養子なのよ!』で微笑みあっておわり。これで良いんですよ」 令和4年度の中絶件数は12万件にも上る。 「全ての人に『産め!』なんて無責任なことは言えません。でももっと特別養子縁組のことや、我々のような団体のことが広まって『こういう方法もあるんだ』と考え直してくれたら嬉しいです。妊娠も出産も奇跡。産まれてきた子供たちは本当に奇跡の子です。親がどんな状況だろうと、そんな環境だろうと産まれきた。すごい生命力です。そんな奇跡をつないでいきたいです」 岡田代表は取材中、何回も「幸せになれる子供を増やしたい」と繰り返していた。 今後もBabyぽけっとの活動が広まっていくのを願うばかりだ。 さらに関連記事<「13歳の妊婦」「ホストにハマるホームレス妊婦」…産んでも育てられない「特定妊婦」のヤバすぎる実態>も、ぜひご覧ください。
吉沢 さりぃ(ライター兼底辺グラドル)