コロナ第2波は「指数関数的に増え始めたか」大曲医師が見解
東京都が新型コロナウイルスの感染状況をモニタリングする新たな指標を公表した30日の記者会見では、同席した専門家に「第2波」の定義や数値基準はないのかとの質問が出た。 【動画】東京都が“数値なき”コロナ新指標 小池知事「経済活動との両立目指す」
第2波の決まった定義は「ない」
東京都では30日まで5日連続で感染者が50人を超える状態が続いている。会見に同席した国立国際医療研究センターの大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長は、この質問に対して、次のように率直に語った。 「『第2波』の定義はすごく難しい。決まった定義はないのが正直なところ。この感染の流行は、最近だと3、4、5月に大きな波があって、あれを第何波と言うのか分からないが、それがある程度落ち着いたところで、また次の小さな山ができつつある。おそらくはこれの繰り返しなんだろう」 その上で、感染者の増え方に注意が必要だとの見方を示した。 「その波を何番とつけるかどうかに実はあまり関心はない。患者さんの数の増え方が、じわりじわりと来ているのか、どこからか質が変わって、よく指数関数的と言うが、あえて言えば『指数関数的に増え始めたのではないか』というところが、注意すべき感染の波といえるのではないか」 一方で、感染状況を把握するために都が新たにまとめた7つの指標には、これまでのモニタリング項目に設けられていた数値基準がなくなった。「(これまで)項目と基準値を見ながらやってきたが、実際評価してみると、現状をつかみにくいという印象を持っていた。むしろ、これらの指標や現場で見てきた事実を合わせて捉えて評価として分析していく、そして全体像をつかむことが大事だと思い至った」と理解を求めた。