「かかってはいけない病気」医師が口にする新型コロナの怖さとは
新型コロナウイルスの怖さを語る大曲貴夫国際感染症センター長(THE PAGE)
新型コロナウイルスの感染は世界規模で拡大し、感染者は50万人に迫る勢いだ。日本でもじわじわと広がり、東京都では3日連続で40人超の感染者を出す事態となっている(3月27日時点)。この未知のウイルスについては、これまでの症例や研究から、少しずつ特性が分かってきている。軽症患者が多いとされる一方で、高齢者を中心に2万人以上が世界で亡くなっている。この病気の怖さはどこにあるのか。実際に患者を診察した医師の言葉から紹介する。 【全編動画】小池知事「感染爆発の重大局面」 週末は不要不急の外出自粛を要請
●数時間前まで話せる状態でも……
東京都の小池百合子知事が、都民に週末の不要不急の外出を控えるよう要請した25日の緊急会見。その場で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長に対し、記者から新型コロナウイルス感染症という病気の怖さについて質問が出た。 新型コロナウイルスの感染者は多くの場合、軽症であったり無症状であったりすることが伝えられている。大曲氏も世界保健機関(WHO)のデータを踏まえ、こう切り出した。 「この病気の怖さは、8割の人は本当に(症状が)軽い。歩けて、動けて、仕事にもおそらく行けてしまう」 しかし、と大曲氏は続ける。 「残りの2割の人は確実に入院が必要で、全体の5%の人は集中治療室に入らないと助けられない」 重症化する患者が2割、重篤化する患者が5%いると強調した。 実際に患者を診察している医師である大曲氏は、さらに怖いのは、悪化する際のスピードの早さだと指摘する。 「悪くなる時のスピードがものすごく早い。本当に1日以内で、数時間で、それまで話せていたのに、どんどん酸素が足りなくなって、酸素をあげても駄目になって、人工呼吸器を付けないと助けられない状況になる。それでも人工心肺を付けないと間に合わない、そういうことが目の前で一気に起こる。ものすごく怖い」 それまで会話ができるような状態だったのに、数時間で容態が急変する。そういった状況は、特に持病がある患者に起こるという。 そして、こう訴えた。「かかっちゃいけない。強く思う」 政府の専門家会議の見解でも、感染者のうち約80%が軽症で、逆にそうであるために、症状の軽い人が街へ出歩き、自分でも気がつかないうちに他の人に感染させてしまう可能性があると注意を呼びかけた経緯がある。