今、ザックJ対アギーレJが仮想対決したらどうなる?
ハビエル・アギーレ監督に率いられる新生日本代表が低空飛行を続けている。就任後に行われた4つの国際親善試合で残した1勝1分け2敗、得点3に対して失点8という結果以上に、試合内容そのものが今後へ向けた期待を抱かせてくれない。 【動画でみる】ハビエル・アギーレ氏就任会見 8月11日に行われた就任会見で、アギーレ監督は「堅守速攻」を所信として表明した。前任のアルベルト・ザッケローニ監督の下で標榜されてきた、ボールポゼッションを高めて、日本が試合の主導権を握りながら相手を崩していくスタイルとは明らかに一線を画す言葉だったが、契約交渉の全権を与えられた日本サッカー協会の原博実専務理事(当時は技術委員長を兼任)はこう後押ししていた。 「守備を固めてという話があったが、決してザッケローニ監督もやっていなかったわけではない。彼もそこをベースに、攻撃をどう仕掛けるかがキーワードだった。アギーレ監督は代表での経験も豊富だし、いろいろなクラブを率いている。スペインのサラゴサ、エスパニョールでは、守備を立て直して残留させた。強いチームを勝たせることよりも難しい作業をやってきた。守備だけでも攻撃だけでもない。彼なら今まで以上のバランスを見いだしてくれると思う」 前任者の下で最終的には独り歩きした「自分たちのサッカー」をブラジルの地では封じられ、結果として何もできないまま、グループリーグの最下位敗退で日本の5度目のワールドカップは幕を閉じた。選手だけでなくサポーターやファンまでもが味わわされた悔しさを、4年後のロシア大会で喜びに変える期待を背負って船出したアギーレジャパンの現在地をどのようにとらえればいいのか。 例えば、いま現在のアギーレジャパンとザックジャパンが対決したと仮想してみる。あくまでもバーチャルの世界の話になるが、元日本代表MFで現在は解説者を務める水沼貴史氏は「ザックジャパンが勝つに決まっていると言っていい」と勝負以前の問題だと指摘する。 「理由は、ザックジャパンがチームになっているからに他ならない。ザックジャパンのいつの段階がベストかということもあるけれども、例えば遠藤が中心のときのチームと比較すれば、普通に考えてザックジャパンのほうが強い。アギーレジャパンはまだチームになり得ていない」