高校サッカーで頂点極めた”大型新人”MF松木玖生はFC東京で定位置を勝ち取れるのか…「監督の色に合ったプレーで個の力を出し勝利に貢献したい」
さらには2019年3月を最後にリーグ戦で無得点が続く、31歳の東慶悟が主戦場とするトップ下や、左利きという強みを生かせる2列目右サイドでの抜擢も考えられる。実際、松木は2年生のときにはインサイドハーフでプレーしている。 「結果を残すことだけを考えているので、監督の色に合ったプレーをしながら個の力を出して、どこのポジションでもまずはチームの勝利に貢献したい。プロの選手とまだ対戦していないので正確にはわからないですけど、自分は高校の3年間、必死に努力して肉体改造にも力を入れたので、それなりのことはできると思っています」 表情をほとんど変えずに、それでいて不敵な自信を漂わせた松木は青森山田に入学して早々、黒田剛監督に思わず舌を巻かせたことがある。 「上級生に対しても関係なく、ピッチの上では呼び捨てだろうが何だろうがどんどん仲間を鼓舞し、遠慮なく指摘できるふてぶてしさというか、メンタルの強さが松木のいいところですね。柴崎岳が1年生のときより肝がすわっていますよ」 中田英寿氏や本田圭佑氏をも彷彿とさせるピッチ上の立ち居振る舞いは、卒業までの日々でさらにスケールを増してプロの世界へ持ち込まれる。松木は毅然と前を見すえた。 「自分は負けず嫌いですけど、それは誰しも選手ならば持っていると思うんですね。それ以上に熱いプレーヤーなので、ピッチ上で味方を鼓舞しながらチームを勝利に導きたい。FC東京の選手たちも自分のプレースタイルをまだ何も知らないと思うので、そこはキャンプから貪欲に自分を出して、特長をいち早くつかんでもらいたいと思っています。そしてチームが求めているリーグ戦の優勝に、一番貢献するシーズンにしたい」 FC東京は16日に始動し、17日からは沖縄・国頭村でキャンプを開始する。学校の関係で合流が20日前後になる予定の松木は、いろいろと試す上で「最初の6ヵ月は苦しむ時間が続く」と明言するなど、フラットな状態からの競争を公言するアルベル監督の青写真に食い込み、川崎との開幕戦で先発を射止めるための挑戦を加速させていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)