全国高校サッカー選手権で見るべき5人の逸材
新春のスポーツ界を彩る風物詩のひとつ、第100回全国高校サッカー選手権大会は、2日に首都圏の4会場で行われる3回戦の8試合をへてベスト8が出そろう。 8大会ぶりに開催会場に加わった「聖地」の国立競技場で、8日に準決勝、10日には決勝が待つ今大会。昨年末の1回戦から熱戦を繰り広げてきた出場48校の選手たちのなかから、5人の次世代ヒーロー候補をピックアップした。
青森山田のエース松木はFC東京内定
【松木玖生】(青森・青森山田3年/MF/180cm・76kg) 1年生だった第98回大会で4ゴールを奪い、2年生だった前回大会からは「10番」を拝命した男が、最上級生になってキャプテンとして選手権の舞台へ帰還。初戦だった昨年大晦日の大社(島根)との2回戦でさっそくゴールを決めた。 性格を問われれば「負けず嫌いです」と胸を張って答える。だからこそ2年前は静岡学園(静岡)に逆転で、昨年は山梨学院(山梨)にPK戦でともに敗れ、人目をはばからずに号泣した決勝の借りを返さずして高校サッカーは終えられない。 武器を問われれば「ボランチでも得点に関われるところ」と即答する。さらにスケールを増した豊富な運動量を駆使して、昨夏のインターハイでは5ゴールをあげて得点王を獲得。青森山田を16年ぶりの頂点に導き、今度は歓喜の涙を流した。 海外志向が強く、昨年1月にはリヨン(フランス)などヨーロッパのクラブの練習に参加した。それでも卒業後のFC東京加入を決めたのは、U-22日本代表へ飛び級で抜擢され、初陣でゴールも決めた松木をして「自分よりはるかに上のメンタルを持っている方」と言わしめる、日本代表DF長友佑都の存在が大きく影響している。 ヨーロッパと日本代表の戦いで濃密すぎる経験を積んだベテランの間近で、自分に足りないものをすべて吸収しながら成長を加速させていく。貪欲かつ明確な目標を定めるプロの世界へ、3大会ぶり3度目の選手権優勝を手土産に臨む第2関門として、等々力陸上競技場で行われる2日の3回戦で阪南大高(大阪)と対峙する。