「赤ちゃんにお年玉は必要ない」実の親に言われてモヤモヤ…お年玉は何歳から? 気になるマナーとは
新年を迎え、親戚との集まりも増えるこの時期。お正月の風物詩といえば、子どもたちの喜ぶ顔が見られるお年玉です。一方で、子どものいないご家庭から一方的にいただいたり、親戚間で子どもの年齢に差がある場合は、お年玉の金額を巡って恐縮したり、もやもやしてしまうこともあるもの……。お年玉の相場や、あげたりもらったりする際のマナーには、どんなものがあるのでしょうか。マナー講師の林慶子先生に話を聞きました。(取材・文=佐藤佑輔) 【画像】お年玉の相場は? 年齢ごとの金額一覧 ◇ ◇ ◇
年初めに会う機会のない親戚の子には、あげない場合が多いというアンケート結果も
前置きとして、お年玉を渡す相手や金額について「これといった決まりはありません。あくまで気持ちなので、必ずあげなければいけないというものでもありません」と林先生。年初めに会う機会のない親戚の子には、あげない場合が多いというアンケート結果もあるそうです。 お年玉を渡す際のマナーについては「お札は新札を用意し、肖像を右側にして左側から3つ折りにし、顔が上を向くようにポチ袋に入れます。袋には渡す側とあげる側、両方の名前を書き、親からお礼が言えるよう、直接会ったときに保護者の前でお子さん本人に手渡すのがいいでしょう」。一方、もらった側については「子どもなので、絶対ということはありませんが、できれば目の前では開けず、来客が帰った後に開けるのが好ましいでしょう」とのことです。 気になる相場については「一般的な相場であって、この金額でなければいけないというものではありません。あくまで1つの参考程度です」と前置きしつつ、未就学児は1000円以内、小学校低学年は1000~3000円、高学年になると3000~5000円、中学生では3000~1万円、高校生・大学生では5000~3万円と、年齢によって細かく分かれているそう。年齢の異なるきょうだいでは、相場に応じてそれなりに金額に差をもたせてあげるのが一般的だといいます。 記者の周囲では、今年子どもが生まれるも、実の親から「赤ちゃんにお年玉は必要ない」と言われ、ショックを受けたという声もあります。未就学児には何歳からお年玉をあげるのが適当なのでしょうか。 「0歳や1歳の子では、実質的に親に手渡す形になってしまいます。3歳くらいで物心がついてから渡すのが一般的ですが、これも特に決まりがあるわけではありません。あげるかどうか迷うくらいなら、あげた方がすっきりするもの。現金だとちょっと……という場合には、お金ではなく、絵本やプレゼントで代用するのもよいでしょう」。逆に年齢の上限についても特に決まりはないとのことで「一般的には、就職して収入を得るまでとされています。アルバイトなどをしていても、学生のうちはあげても構いません」とアドバイスします。 子どものいない家庭からもらったり、親戚間で子どもたちの年齢に差がある場合など、あげる金額ともらう金額に大きな差がついてしまうことも起こり得ます。例えば、大学生と高校生の子どもに3万円ずつ、6万円もいただいておきながら、向こうは未就学児が1人という場合など、お年玉自体を固辞したり、何かお返しを用意したりした方が良いのでしょうか。 「お年玉は目上の人が目下の人に贈るもので、断るのはよくありません。また、お礼の品なども不要で、お返しを気にする必要もありません。年齢によって額に差があっても、成長に伴っていずれ返すものなので、気にせずとも大丈夫です。ただ、どうしてももらいっぱなしでは気になるという場合は、正月の手土産を豪華にしたり、お中元やお歳暮に良いものを贈ったりするのが、スマートな対応と言えるでしょう」 意外と知られていないのが、お年玉をあげてはいけない相手。お年玉は目上の人から目下の人に渡すもので、上司の子どもなどに渡すのは失礼にあたるといいます。 「もしあげる場合には、『お年玉』ではなく『お年賀』と書いた封筒を準備しましょう。あまり市販はされていないので、柄物の封筒に筆書きして用意するといいでしょう。本来はお金よりも物であげた方が無難です。今の時代はそこまで気にする必要はないかもしれませんが、ひとつの知識として覚えておいても損はないでしょう」 お年玉を巡っては「無駄遣いしないよう、お父さんが預かっておくから」などといい、親が管理したり、ひどいときにはそのまま着服してしまうケースもあります。「お年玉はお子さんにあげるもので、親が横取りしてしまうのはいけません。おこづかいの額や使い道については各家庭ごとに考えがあるので一概には言えませんが、少なくとも子どものために使われるべきお金。おこづかいとして渡すのでない場合には、例えば『ランドセルを買いました』など、あげた側に使い道の報告などがあるといいでしょう」と林先生。お年玉に絶対のマナーはありませんが、あげる方ももらう方も、お互いが気持ちよくなるような気配りを心掛けたいところです。
Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム・佐藤佑輔