16歳で来日した“モンゴル人元力士”の半生。暴行罪で4度の逮捕、経営する会社の売り上げもゼロに近づき…「本当に妻には感謝してる」
在留外国人数が過去最高を記録するなか、SNSでは問題行動が目に余る一部の不良外国人を敵視する声も溢れる。果たして、共生の道はあるのか? 今回、日本で必死に生きる彼らの自宅に突撃。虐げられた魂の叫びに耳を傾けた。 今回は、暴行容疑で4度逮捕されたモンゴル人力士に突撃ルポを敢行。 ⇒【写真】羽振りがよかったころに買った彼女へのプレゼント
テムーレンさん(仮名・40代)
国籍:モンゴル 日本滞在:24年 16歳で来日するもトラブルで20代後半に引退。暴行罪で4度の逮捕歴あり。貿易関係の会社を経営し、日本人の恋人と2024年に結婚。近々、配偶者ビザに切り替え、永住権を得る予定
力士引退から波乱の道へ4度目の逮捕で気づいた愛
「拘置所に入ってから続けてるんだ。いい暇つぶしになる」 大きな体を揺すらせ、片手には数独の本を持ちながら待ち合わせ場所に迎えに来たのは、モンゴル出身の元力士・テムーレンさん(仮名・40代)。 つい「最近、日本人女性と結婚したことを機に、彼女の住む部屋に入り浸っているんだ」と語りながら、都内東部の賑やかな商店街近くにある小さなアパートに案内してくれた。 結婚前に住んでいた家が千葉にまだ残っているらしいが、「そっちはそのうち引き払うよ。こっちのほうが昔の相撲仲間とから飲みに誘われたときに行きやすいんだ」と笑う。 テムーレンさんは相撲部屋のスカウトを受け、16歳で来日。厳しい稽古に耐え、順調に番付を上げていったが、30歳になる前に、部屋内のトラブルに見舞われ、急遽引退を余儀なくされた。 「断髪式もせず、ちょんまげは床屋で切った。店主も驚いてたね。『いいんですか!?』って。もうなんでもいいやと自暴自棄になって、金髪にした。ついでに耳にピアスも開けたよ(笑)」 そこからは土木系の仕事を経て、貿易関連の会社を起業。月50万円は自由に使える身になったが、逮捕を機に歯車が狂いだす。 「引退から3年後、不法侵入と暴行罪で逮捕されたんだ。路上で不良に喧嘩売られて、追いかけたらビルの一室に入っていくからドンドンドン!とドアを叩いて入っていった。気づいたら室内で10人くらいに囲まれてたね。反社の連中の事務所だったんだ。で、鉄パイプで後頭部を殴られて気づいたら病院。俺は被害者なのに、あいつらにハメられて加害者扱いだよ」