明日RISE横アリ大会でデビュー!なぜ元西武の“問題児”相内誠は格闘リングに上がるのか?勝算はあるのか?
「格闘技は人を殴って稼げる」の言葉が独り歩きし批判も浴びた。 「SNSの質問コーナーで“格闘技は人を殴って勝ったら褒められる、そういうスポーツは魅力的だ”と答えたんです。実際、そんなスポーツって他にないじゃないですか。それがどんどん悪い方向にいって、人殴って金を稼げるからプロにいったみたいになってね。まるで悪童みたいに。別にいいんですけどね」 炎上キャラも上等だが、言われて嫌いな言葉がひとつだけある。 「メンタルが弱い」という指摘だ。 「野球のときもそうでした。すぐにメンタルが弱いで片づけられる。人生の中で、僕がどれだけ嫌な思いをして、何クソと思う気持ちをもって生きてきたか…。見返したい。野球で成功したわけでないが、負けん気みたいなのは人一倍持っている」 彼には中学時代を養護施設で過ごしたという壮絶な過去がある。その真実を「隠すことではないが、今はまだ表に出すタイミングじゃない」と、相内は“封印”しているが、メンタルが弱いどころか、己を貫き通した信念がそこにある。 相内は格闘界で王者になるための条件をこんな風に話した。 「いろんなチャンピオンがいると思う。共通するところは気持ちの強さ。野球のときは実感が持てなかったが、格闘家は個人スポーツ。スポンサーさんに広告をトランクスに入れてもらえるし、ファンにチケットも買ってもらえる。お世話になる人への感謝の気持ちが大事だと思うんです。そういうお礼の気持ち、感謝の気持ちを強く持てる人が試合でも強い」 ーー元西武のプライドはリングに持ちこむのか? 「心機一転、新しい相内誠でいきたい。僕はそう思っていても、はたからみると、元西武の相内。だから、そこに意識と誇りはある」 相内は西武時代の思い出をこの先の人生に重ねた。 西武時代には「いろんな凄い投手を見てきた」というが、とりわけ度肝を抜かれたのはソフトバンク移籍後にセーブ記録を作ったサファテ。ブルペンの隣で投げることになり、「バケモンだと思った。キャッチャーミットの音が銃声みたいだった」という。 プロ入団直後にショックを受けたが、相内の反骨心が萎えることはなかった。 「僕は変化球投手で入ってきた。サファテより変化球は僕の方が豊富。サファテと同じことやってもだめ、やれるという自信はあった。格闘技も同じじゃないですか。パワーがなくてもテクニックでトップクラスにいる人もいる。技巧派、速球派は格闘技界にもあると思う。理想は両方を持つこと。巨人の菅野智之やソフトバンクの千賀滉大は両方を持っている」 格闘技界の菅野、千賀になるー。 「理想は、冷静さとテクニックを兼ね備え、落ち着きがあるが、打ち合いになれば負けないというファイター。まだまだ程遠いが、それが一番強いファイターだと思う。目指しているところは白鳥さん」 目標とするのはセミファイナルに出場する白鳥大珠(25、TEAM TEPPEN)だという 「今対戦したいいうのは失礼にあたるレベルですが、いつか試合をしたい。まずは、この1年の勝負。真剣にやれば、もう1年やれるのか、あきらめるのか、そこで自分の将来性が見えてくると思う。夢を大きく言わせてもらえるのであれば、今年の大晦日のRIZINに呼んでもらえるような選手になり、最終的には世界のベルト。いけるところまでいきたい」 相内の抱く壮大なビジョンだ。 ――今は野球時代のような窮屈さはありませんか? そう聞くと相内は「こっちのほうが自分を出せている気がする」と笑った。運命のゴングが近づいている。