明日RISE横アリ大会でデビュー!なぜ元西武の“問題児”相内誠は格闘リングに上がるのか?勝算はあるのか?
西武時代には問題児のレッテルを貼られていた。新型コロナの自粛期間で不要不急の外出禁止を通達されていた昨年4月に佐藤龍世内野手(24)と共にゴルフ場へ向かう途中で法定速度を89キロもオーバーするスピード違反を犯していた。オービスにより発覚した8月に球団は、2人に無期限の対外試合出場禁止、並びにユニホーム着用禁止処分を科した。相内は助手席に乗っていた。ドラフト後に西武への正式入団前に仮免許運転違反、未成年だった2014年には飲酒、喫煙、2018年には車の自損事故…など不祥事の発覚が続き、ついにオフに戦力外を通告された。実は、自主退団だったという。 「自分から辞めさせて下さいと言いにいったんです。もう野球が嫌になっちゃったので8月終わりくらいに意志を伝えました」 ーーどこを嫌に? 「言い方は悪いですが野球界って小さいんです。ちょっとしたことで騒がれる。それが性に合わない。ひとり目立って、まるで犯罪者扱をされて、野球の選手のはずなのに、違うことと戦っていたんですよね。野球に集中できないというか、なんか敵が違ったような気がして。それで嫌になっちゃったんです」 処分を受けた8月以降、実質、練習もしていなかった。 ーーそういう発言をすると、またネットでアンチが騒ぐのでは? 相内は苦笑いを浮かべた。 「もうプロ格闘家なんで。アンチも歓迎。逆にありがたいですよ」 相内は多くは語らないが、問題になった事件の中には、男気が仇になったトラブルもあったという。 格闘家への転身は、西武の退団を機に決断したものではない。 「戦力外通告を受ける前からやりたいと思っていた。昔から格闘技が見るのも大好きでした。プロ野球に入る前にも、本当は格闘技をやろうという気持ちを持っていたくらいなんです」 憧れはK-1のカリスマ魔裟斗だった。 千葉の冨津市になる「菅原道場」にチラホラと通い出したのは高校生の頃。中学・高校の時に野球部の先輩でK-1で活躍している島野浩太朗が通っていた縁である。 当時、野球部の寮生活だったが、近くのレンタルショップで格闘技DVDを借りてきては見ていた。朝倉兄弟の出身母体である“格闘王”前田日明氏が主宰の「アウトサイダー」のDVDも見たが、寝技の展開になると早送りにしていた。 「寝技が面白いという人もいると思いますが、僕はたまたまそういうタイプだった」 だから総合ではなくキックに魅了された。 だが、いよいよ進路を決める段になって、道場の菅原忠幸会長から助言を受けた。 「今は昔と違って格闘技は盛り上がっていない時代。格闘技界に行くより、野球で勝負した方がいい」 相内は「もしドラフトにかかれば野球で行きます」と決断、西武にドラフト2位で指名された。「あれ?何かの間違いでは」と思ったという。8年という歳月を経て、あの頃の“熱”が蘇ってきた。