明日RISE横アリ大会でデビュー!なぜ元西武の“問題児”相内誠は格闘リングに上がるのか?勝算はあるのか?
「心の中では、いつか格闘技をやりたいとずっと温めていた。もし30歳まで現役をやっていたのなら転向も厳しかったのかもしれませんが、まだ26歳。挑戦してもいいんじゃないかと」 千葉国際高(現・翔凜高校)時代は、長身から投げ下ろす140キロ後半のストレートと多彩な変化球を操るピッチングスタイルがスカウトの目を引き“房総のダルビッシュ”と呼ばれた。西武の在籍8年間は0勝7敗に終わったが、高卒2年目の9月に楽天戦でプロ初先発の抜擢を受け、2015年にファームで最多勝を獲得するなど「いつか化ける逸材」として評価されていた。1軍で未勝利の投手が8年間もクビにならないのは異例だ。当然、チームの内外からは引き止めもあり、海外挑戦も含めた野球の継続を進める声もあった。 「もったいないとも言っていただきましたが、違った道で心機一転やりたいと思った。踏ん切りつけて、違う人生を歩みたかった。結果的にいろんな方々を裏切ることになった。チャンスをもらったので、ここで見返す形を出すことが恩返しになると思う」 スパーリングでは蹴られる「痛さ」も殴られて「記憶が飛ぶ」ことも経験した。 「痛いですよ。でもそれを言い出したら格闘家としてやっていけない。慣れていくしかないでしょう」 それでも恐怖感はない。 「野球と違い何の経験もないので怖いという感覚がわからないんです」 ただ格闘家として重要な闘争心は備わっている。 数多くの武勇伝はあるが「言えるタイミングがあれば」と口を閉ざす。ただ、これだけは…と続けた。 「道を外しかけたこともありました。喧嘩は強かったので暴走族のような集団にも誘われましたが入りませんでした。なんの恨みもない人をいきなり殴るようなことはできなかったんです。理由のない戦いだけはしたことがありません」 正義感だけは守った。 ――格闘家は何の恨みもない相手を殴って蹴らねばなりません。 「それは違います。これは試合ですから」 ――RISEの舞台はスポーツか、喧嘩か? 「どっちもじゃないですか」 格闘家に向いていると思った瞬間もある。 西武時代、体重増加、マッチョ化に挑戦したことがあり、最大81キロまで増やしたが、相内には合わなかった。 「僕は食べても太らない体質だった。体重落とせと言われると、これほど簡単なことはない。そこは減量の必要な格闘家に向いているかも」。今回の契約は65キロ。初対決の水抜きは苦労したが、通常体重は68キロ前後の相内にとって難しい減量ではない。