なぜケンブリッジ飛鳥は自己新10秒03で復活Vを遂げたのか…背景にフィギュア高橋大輔の”専属相棒”との肉体改造
「Athlete Night Games in FUKUI」が29日、福井県福井市の9.98スタジアムで開催された。今年も好記録が続出したが、注目の男子100mではケンブリッジ飛鳥(ナイキ)が強烈な存在感を見せつけた。 予選3組に登場したケンブリッジは桐生祥秀(日本生命)を0秒02抑えて、10秒05(+0.9)の自己ベストでトップ通過を果たす。そして、約1時間半後の決勝も快走した。 序盤からスムーズに加速すると、持ち味の後半でライバルたちを圧倒。日本歴代7位タイとなる10秒03(+1.0)で完勝した。2位は桐生で10秒06、3位は小池祐貴(住友電工)で10秒19だった。 レース直後の場内インタビューでは、「苦しい期間が長く続いたので、素直にうれしいです。すごく遠回りしたような気もするけど、本格的に9秒台も見えて、全体的に良くなったと思います」と答えたケンブリッジ。久しぶりに充実した笑顔を見せた。 日本陸上界に9秒台スプリンターが誕生する少し前。ケンブリッジには大きな期待がかけられていた。2016年は日本選手権を制すと、リオ五輪では男子4×100mリレーのアンカーを務めて銀メダルを獲得。翌2017年には向かい風のなかで10秒08の自己ベストをマークした。しかし、その後は低迷していく。 「いろんな人がいい記録で走りましたし、世界選手権では悔しい思いもたくさんしました。不安や焦りはあったと思います」と苦しい過去を打ち明けた。 2017年のロンドン世界選手権は男子4×100mリレーの予選でアンカーを務めながら、決勝は外された(日本は銅メダル)。さらに年下の桐生、サニブラウン・ハキーム、小池が9秒台に突入する。2019年はシーズンベストが10秒20。ドーハ世界選手権は男子4×100mリレー代表に選ばれていたものの、出番は一度もまわってこなかった。時代に取り残されつつあったが、ケンブリッジは2020年に復活を遂げる。