コンビニのおにぎりが無くなる!? 和食の危機と希望
【鮭】100円台のおにぎりは無くなるかもしれない⁉︎
鈴木 今回の記事では、日本の大手コンビニ3社のおにぎりを比較していこうと思います。 鈴木 C社の鮭だけ、色が違うの分かりますか? 価格もA社が175円、B社が168円に対して、C社は139円です。 ── C社だけ違う魚種を使っているということでしょうか。 鈴木 そうです。食品表示を見ると、他2つが輸入しているベニザケを使っているのに対して、C社はおそらく北海道の「シロザケ」を使っているんですね。
鈴木 鮭って、一般的にはピンクがかったオレンジ色のイメージがあるかと思います。しかし、鮭は白身魚に分類されているんです。鮭の赤みは「アスタキサンチン」というエビや貝類に含まれている色素に由来しており、紫外線から体や卵を守る役割があります。鮭は、この色素を自分で作ることができず、エビやカニを食べて体に取り込みます。鮭は産卵の時期になると川を上ります。そして卵を紫外線から守るために色素を移すので、海にいる鮭はオレンジ色でも、川の上流に行く鮭の身は白くなるんですね。 また、10月ぐらいに「秋鮭」としてスーパーで売られる鮭は、基本的に海で獲られたものです。鮭は川に遡上する準備ができると、銀色の体色から、婚姻色とよばれる赤い色に変わっていきます。銀色のものを「ギンケ」、婚姻色が出てきたものを「ブナケ」と呼びますが、ブナケのものは身の色も白く、ぼそぼそした感じになっていくので、安く取引されるようになります。これをうまく活用した商品が、鮭フレークなんです。 こうした鮭フレークに使われるような一番安価な身が、コンビニのおにぎりに入っているんです。C社のシロザケも、このタイプを使っていると思います。 ところが、日本で獲れる鮭の量が今、激減しています。宮城や岩手では、ほぼ獲れなくなってしまいました。
── 本当だ! ここ20年でどんどん減っていますね......。 鈴木 理由の一つは、海水温の高さです。鮭は川で生まれ、海を旅して産卵の時期にまた川に戻ってきます。基本的に寒い海で過ごすため、5度から13度が鮭にとって生息可能水温と言われています。