営業員の『保険を見直しませんか?』の勧めは99%ソンする?「見かけが安くなっても実は…」専門家が<保険の転換の落とし穴>を解説
「保険に入ろうと思っているけれど、何から手を付けていいかわからない」「保険選びってよくわからないから、誰かに相談したい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そんななか「保険は、人生の中でマイホームの次に高い買い物。ムダな保険を見直すだけで大きな節約になる」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんです。そこで今回は、長尾さんの著書『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』から、保険選びに役立つアドバイスを一部ご紹介します。 【図】契約者がほぼ損をする「定特転換」の落とし穴 * * * * * * * ◆営業からの「見直しませんか?」は99%損をする 保険の営業員から、「もうすぐ保険の満期です。見直しをしませんか」とか「保険のメンテナンスをしましょう」と勧められたことがありませんか。彼らはお得感を目一杯アピールします。 その提案の多くは「転換」です。 転換とは、同じ保険会社のほかの商品に乗り換えることです。ほとんどが「定特転換」で、加入している保険の積立部分を新しい保険の頭金に使います。 下の図をご覧ください。 見直す時点では年齢が上がるので、全体の保険料はアップしています。それにもかかわらず、月額保険料はあまり変化していません。 ここが転換の落とし穴。見かけが安くなっている理由は、いままで積み立ててきたお金(解約返戻金)を、定期保険を買う頭金に充てたからです。 定期保険の部分は掛け捨てなので、その解約返戻金は戻ってきません。さらに、新しい保険では予定利率も下がってしまうのです。 転換は、ほぼ損をすると心得てください。甘い言葉にうっかり乗らないようにしましょう。
◆お宝保険は手放してはいけない! 保険会社が契約者に約束した運用利回りを、予定利率といいます。 バブル当時の予定利率は、5.5%ありました。現在では、0.5~1%程度です。 利率がよかった昔の貯蓄型保険は、いまや「お宝保険」です。 できるだけ解約しないで持っておくのが正解です。 逆に、保険会社にとっては重い負担になるため、予定利率の低い商品に変えてほしいと思っています。 それで、転換を勧められることが多かったのです。
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