【1万回転までキッチリ回せ!】ホンダより凄い新型「ランボルギーニ テメラリオ」日本初登場
3基のモーターは、リア側でエンジンとギアボックスの間にひとつ、フロント側で左右前輪の駆動用に各ひとつずつの配置となる。リチウムイオンバッテリーは車輌中央のセンタートンネルに搭載される。二代目ホンダNSXが確立し、その後にフェラーリSF90やレヴエルトが採用したレイアウトと同様である。 エンジンとモーターを合わせた最高出力は920馬力。変速機は8段のDCTである。
速さと楽しさの両立
CFRPモノコックのアヴェンタドールやレヴエルトと異なり、テメラリオのシャシーは、ガヤルドやウラカンと同じくアルミのスペースフレームである。テメラリオ用に新設計となり、先代ウラカンに比べてねじり剛性が20%向上している。 ブレーキはカーボンセラミックディスク。また空力の見直しにより、後期型ウラカンに比べて標準車でリアのダウンフォースが103%増加している。 乾燥重量1690kgに920馬力、そして高度なシャシー技術を組み合わせたテメラリオの動力性能は、0-100km/h加速が2.7秒、最高速が343km/hとクラス最高水準だが、ユーザーの関心は性能よりもフィーリングにあるだろう。一般公道における中間加速はテスラなどのBEVに分があり、この手のスポーツカーの商品性は速さよりも五感に訴えかけるフィーリングに移ってきたからだ。
今回来日したパオロ ラチェッティはスモール・ランボルギーニの責任者であり、テメラリオにおける高回転エンジンとモーターを組み合わせた全く新たなドライビング体験の魅力を力説していた。頭のすぐ後ろで自然吸気V10が8000回転で回る時の絶叫を体験しているウラカンのオーナーはV8ツインターボに不安を覚えるかもしれないが、名車ウラカンSTOはこの人の指揮下で生まれた車である。心配は要らないだろう。 テメラリオには「ドリフト・モード」も設定された。車が許容するドリフトアングルをスイッチで設定して、オーバーステアを安全に楽しめるモードである。テメラリオは運転の楽しさにフォーカスした車なのだ。