なぜ渋野日向子は今季海外メジャー初戦で1打及ばず予選落ちしてしまったのか…「もっと勉強していかねば」
スイングの改造に加えて、今シーズンからクラブセッティングを変えた。5番アイアンを外してシャフトの長さが異なる2本の6番アイアンを入れ、ウェッジをピッチング、51度、57度の3本から、46度、52度、55度、そして58度の4本に変えて渡米前の日本ツアーから戦っている。 まずはティショットで飛距離よりも方向性を安定させ、その上でピンから100ヤード以内のショットの精度を向上させることで速くて硬いグリーンを征服。ロングホールでバーディーを奪っていく戦略から逆算した、アメリカツアー対策の成果と課題の両方が2日間で出たと渋野は振り返る。 「今回の結果に関してはすごく悔しいですけど、内容をひとつひとつ考えていくと、日本でプレーしたときに比べて成長しているところがたくさんありました。そういう点をしっかりとフォーカスしてもっとレベルを上げていって、今回足りなかったところを練習していきたい」 高い確率でフェアウェイをキープしたティショットの安定性が成果のひとつならば、課題はグリーン周りのアプローチを含めて、新たな武器としている4種類のウェッジをまだ使いこなせていない点となる。午後スタートだったこの日は時間が経過するほどに強く吹いてきた風と、暑さを含めた自然現象に連動するように硬さと速さを増してきたグリーンへの柔軟な対応ももちろん含まれる。 「12番でバーディーを取った後も、何だかんだ耐えるゴルフになってしまったというか。チャンスにつけようのない、難しさというものを感じていました」 ひとつの好プレーをきかっけに自分のなかで含めた流れを変える、メンタルの強さを同組のブルック・ヘンダーソン(23、カナダ)から学んだ。初日を3オーバーと出遅れた2016年のKPMG全米女子プロ選手権覇者は2日目を3バーディー、ノーボギーで回り決勝へ進んでいる。 今後は日本時間15日にハワイで開幕するロッテ選手権を含めて、上旬に全米女子オープン、下旬にはKPMG全米女子プロ選手権が行われる6月までアメリカツアーを中心に戦う青写真を描いている。初陣で喫した予選落ちにも渋野は下を向くことなく、青木翔氏との専属コーチ契約を解消した昨年末から成長へつながると信じて独学で取り組んできた、さまざまな改革の精度をあげていく。