「悪魔の前での失敗」にトイレで泣いた20代を超えて――TBS江藤愛アナを支えるもの
家にいるときは、どんな感情も素で出せるような相手がいいですね
さすが安住紳一郎アナの後輩だと言うと、江藤は「スーパー会社員ですから」と胸を張った。 「TBSが好きなんですよ。テレビが大好き、でもアナウンサーとしては劣等生。そんな私でもいいと選んでくれた会社です。ずっと下手だったけど、長い目で待ってくれた先輩たちがいて。TBSを視聴者の人に好きになっていただけるように、私も恩返しがしたい。だからこの会社以外でアナウンサーをやりたいかと言われたら、違うんですよね。……と言っておきながら、結局辞めたら笑ってください(笑)」 「女子アナ」といえば、プロスポーツ選手と結婚、退社してセレブ妻……は、時代錯誤のイメージか。30代も半ばを折り返し、江藤の友人たちのライフステージにも変化が起きているというが。
「今なら外資系、IT系の経営者とかね(笑)。いやいや。年齢的には確かに考えてもいいころなんでしょうけど。私、仕事も、将来の生活についても、これがしたいとか、理想とか、ほとんどないんですよ。何かいつも、目の前のことに懸命に取り組んでいれば、誰かが見てくれていて、縁がつながっていった感じがあって。だから、結婚も縁かな。今は毎日とても充実していて、これが今の一番の自分だと思えるので、待ちます、みたいな感じですかね。ご縁を待っています。…タイプですか? 一緒にいて、楽しい人であれば。家にいるときは、どんな感情も素で出せるような相手がいいですね。アナウンサーって、みんな、外では頑張っていると思うんですよ、だから家では頑張りたくないです(笑)」 とはいえ、祖母譲りの「テキパキ動く性格」で、平日はどんなに朝が早くとも、掃除をして部屋を整えないと家を出られないという。オフの土日には、ラジオを聴きながら家事をして、タイミングが合えば大好きな映画や舞台を観るのが息抜きだ。仕事に穴を開けられないからと、会食などもまだ控えている。コロナ禍で、料理の腕前は上がったと笑った。 「基本的には、一人で過ごしてますよね。ストレス解消法は、姉と電話で話すことです。良くも悪くもきちんと叱ってくれるし、アドバイスをくれます。何があっても、最終的には、『それでいいよ。悲しんでも、怒ってもいいよ。私が聞いてあげるから』と言ってくれるから、本当に楽になれるんです」