「悪魔の前での失敗」にトイレで泣いた20代を超えて――TBS江藤愛アナを支えるもの
「悪魔の前」での大失敗に、力不足を痛感
「お昼の帯番組の出演が始まったばかりのころ、自分でプレゼンするコーナーがあったんです。宇宙関連のニュースで、スタッフと事前打ち合わせをして台本も読み込んで、自分なりに用意をしたつもりでした。当時、デーモン閣下がコメンテーターでいらっしゃったんですが、不意に、とても素朴な疑問を投げかけてくださったんです。私はそれに答えられず、しどろもどろになってしまって。放送が終わった後、友達や同期から『大変だったね』とメールが来るほど。もう、情けなくて、消えてしまいたくて、トイレで泣きました。でも今にして思えば、これが一つのスイッチだったと思います。閣下はとても視聴者目線のある方ですから、応えられないのは、私の力不足。グラグラするのは、かっこ悪いなと思いました。成長するきっかけをくださった閣下には感謝しています。あの瞬間は、『悪魔だ!』って思いましたけど(笑)」 事前の準備と、綿密な打ち合わせ。不要かもしれない情報も、念のために用意しておきたい。こうした姿勢に呼応するように、スタッフたちも精一杯リサーチに協力してくれるという。今や江藤の危機管理能力は、チーム全体の活力になっている。
夢は定年まで会社にいることですから
がむしゃらに働き続ける原動力は、どこにあるのか。 江藤は即答した。 「仕事が好きということですね。もちろん、今でも緊張をしたり、不安に思う瞬間もあります。でもやっぱり、そこに向き合えることが原動力なのかなと思います。疲れないんですよ、本当に」 では、仕事を、会社を辞めたいと思ったことはないのだろうか。 海外留学など、充電期間を持ちたいと思ったことは? 「まったくないです。留学なんて怖いです(笑)。コロナでしばらく帰っていない実家に戻ってのんびりしたいな~と思うことはありますけど、会社を辞めるって、一度も考えたことないですね。夢は定年まで会社にいることですから。感覚が古いのかもしれないですけど、一度はじめたことは、最後まで」