元イタリアンNo.1シェフが逗子で独立! 都内から食通が足しげく通う話題店とは?
そのトマトの味を引き立てるため、調理は至ってシンプル。ミルキーなストッラッチャテッラチーズと、生ハムで出汁をとってホワイトバルサミコをあわせたゼリーでパフェ仕立てに。食してみると、旨みと塩気、清涼感のあるゼリーが完熟したトマトやチーズにからみ、宝石のようなキラキラしたおいしさとなって喉を通り抜けていった。
トマトのカプレーゼに合わせたいのは、イタリアのサルデーニャ島で造られた白ワイン。「酵母が生きていてプチプチとしたフレッシュ感があります。ハーブっぽいニュアンスもあるので、トマトに合いますね」と細田さん。ヴェルメンティーノという地中海らしいミネラル感と果実味のある白ワインで、レストランのロケーションにもふさわしい味わいが楽しめた。
ボンゴレビアンコ✕華やか白ワイン
ソウタスの看板メニューといえるのが「あさりのボンゴレビアンコ」。実は、細田さんはドラマ「ビーチボーイズ」のマイク眞木さんに憧れて「海辺のレストランでおいしいボンゴレビアンコを作りたい」と20代前半に美容師から料理人になった経緯がある。「シンプルでどこにでもあるメニューですが、ここでしか味わえない一皿に仕上げています」と胸を張るとおり、素材のおいしさを凝縮させる仕掛けがある。
「パスタは麺のおいしさが命です。3種類の魚介類の出汁と昆布の出汁をパスタにからめて、仕上げにオレンジオイルをかけています」と細田さん。アサリも貝から取り出しやすいように大きなサイズを使用。一緒にいただくと、海のエキスを満喫するような味わい。さらにオレンジオイルのコクのある華やかさが加わって、見た目のシンプルさとは裏腹に魚介類の風味が口いっぱいに広がる贅沢な味が楽しめる。さすがの看板メニューだ。
ボンゴレビアンコにおすすめは、イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の海の近くで造られた白ワイン。「ミネラル感に加えて、モスカートらしい華やかさがあるワインです。魚介類とはもちろん合いますし、オレンジの香りとの相性もいいですね」と細田さん。ボンゴレビアンコをさらに華やかにしてくれる白ワインだった。