消費者に「値上げ」を理解してもらうための価格設定はどうやる? コスト増時代を勝ち抜くための基本方針とプロセスとは
うちは、スーパーフードを使ったオーガニックのお菓子だから、競合は少ないと思う。価格転嫁できる余地はあるかなぁ。でも間接費の配賦までは考えてなかったなぁ。
見落としがちだけど、年々最低賃金は上昇しているわけだし、理想的には定期的に間接費も踏まえたコスト把握はしたいところだね。今回のコスト増はそのいい機会だと思うよ。
■ 需要志向の価格設定 「需要志向」だとどうかなぁ。ある食材で免疫が高まるって論文が出たときは、ラインが追いつかなくて品薄になったから値上げしたくなったな。
それは、需要価格設定の考え方だね。亮ちゃんの商材の場合、高級路線だから頻繁に価格を変更し過ぎない方がブランドやショップの信頼につながると思うよ。一方、お中元、お歳暮、敬老の日、ホワイトデーといったタイミングは、ギフト需要が高まるから、強気な価格でセット商品を販売するのもいいね。もう1つ、ブランドを考慮する時に忘れてはならないのが「知覚価値志向型価格設定」。お客さまが商品に対して持つ価値を基に価格を設定する方法なんだけど。亮ちゃん、好きなブランドやショップで最近値上げしたところとかある?
あるある。家の近くだよ。2回値上げした寿司屋があってさ。最初、ランチが回転寿司より安いって飛びついたんだけど、2回の値上げで結局、回転寿司より一貫あたりの値段は高くなった。とはいえ、座敷で、家族でゆっくり食べられるし、店員さんは子供に優しいし、茶碗蒸し、小鉢、お椀、アイスも付いてメニューが充実しているから、月1回は通っているよ。値上げの時も、魚介類は円安や輸送費の高騰は直撃しただろうなぁ。ただ、あの優しい店員さんのお給料まで下げて欲しくないから、特に違和感なかったんだよね。
そこ、私も行きたいから教えてよ(笑)。亮ちゃんの商材も、オーガニックとかスーパーフードが売りだから、その原材料コストが上昇したという理由を明確に伝えれば、お客さまは値上げを受け入れてくれやすいと思う。お客さまがブランドを支持する理由を考えて、それをコミュニケーションの核にするといいんじゃないかなぁ。