年末年始に読みたいマンガ!仕事、妊活、自己肯定感…令和の悩みに効く3冊
お悩み:仕事と妊活、どちらを選ぶべき?
「現在32歳で社会人10年目。仕事にはある程度満足した結果が出せたので、まだ体力もある今のうちに転職や部署移動などで別のことにもチャレンジしてみたい…と思っています。そして、妊活・出産をするタイミングもそろそろ考えなければとも思っています。ただ、今妊娠してしまうと、仕事でチャレンジしてみたいことができないのではないか…そのジレンマで、日々悩んでいます」 ■トミヤマ's 処方箋:おかざき真里著『胚培養士ミズイロ』 トミヤマさん:まず、いただいたお悩みを読むと、仕事に関することからは、「やりたい」という願望を、妊活・出産については、「せねば」という義務感を強く感じました。つまり、仕事と妊活・出産、この2つが同じ熱量で天秤にかかっていないんですね。さらに、この2つのどちらか一方に全振りしなければならない、と二者択一で考えている印象を受けます。そんなあなたに紹介したいのが、お仕事マンガの名作『サプリ』の作者、おかざき真里さんが、不妊治療の最前線の現場を描いた『胚培養士ミズイロ』です。 腕利きの胚培養士である水沢さんのクリニックには、死期が近いおばあちゃんにどうしてもひ孫の顔が見せたくて治療を頑張っている人や、血筋を絶やさないために子どもを産もうとしている梨園の妻など、さまざまな事情を抱えた人が訪れます。そのなかに、女優をやりながら不妊治療を続けている人がいるんです。相談者さんには、この話を特に読んでいただきたいです。
仕事と不妊治療を同時並行することは、すごく大変なこと。でも、それに取り組んでいる人がいる。相談者さんも本当に、仕事と妊活のどちらかを取って、どちらかを捨てなければいけないのか、また、自分はどうしたいのかをこの女優さんのケースを見て、今一度考えてみてはいかがでしょうか。 ここからはちょっとネタバレになりますが、この女優さんは、どちらかひとつではなくて、不妊治療と仕事の両輪があるからこそ、前進できる人として描かれています。やりがいのある女優の仕事も続けていきたいけれど、子どもを産むこともあきらめたくない。この2つの願いは、彼女に二者択一を迫るものではなくて、彼女の背中を力強く押し、前に進む力をくれるガソリンなんです。 相談者さんも、自分の願望、つまり「I want」の「want」の部分が何であるかをマンガで再確認して、その「want」を大事にするためにはどうすればいいか作戦を立ててみてはどうでしょうか。そうすれば、今いる暗いトンネルみたいなところから抜け出せるかもしれないなと思います。 『胚培養士ミズイロ』 おかざき真里著 小学館