菅首相が会見 首都圏の緊急事態宣言を延長(全文1)解除できず大変申し訳ない思い
4月12日から高齢者の接種をスタート
先月、医療関係者へのワクチン接種が始まりました。私も早速、視察させていただき、安心して仕事ができるよう、早く多くの人に受けてほしい、こうした現場の声を伺いました。医療の最前線を守るという観点からも、ワクチンが希望の光になる。そうしたことをあらためて実感をいたしました。医療関係者の接種予定者は当初の見込みでは370万人でありましたけれども、さらに100万人を超える希望者の方が寄せられております。 また、4月12日から全国の高齢者の皆さんへの接種をスタートし、4月末からは規模を大幅に拡大して、感染対策の切り札として、希望する国民の皆さんに1日も早くお届けをいたしたいと思います。これまで約3万7000人に接種を行っていますが、副反応に関する情報を含め、引き続き分かりやすい情報発信を行うとともに、自治体と連携をして準備を進めてまいります。 変異株については、地域的な広がりは確認されていないものの、昨年末以来、19の都府県で確認をされており、引き続き十分な警戒が必要です。今月から、変異株が短時間で検出できる新たな方法の検査を全ての都道府県で実施をし、国内の監視体制を強化いたします。同時に水際の新たな措置として、全ての帰国者、再入国者に対し、14日間待機中は携帯電話の位置情報に加え、毎日ビデオ電話で状況を確認する体制を整えます。
もう一段、対策を徹底する決断をした
新型コロナが長引く中で、事業や生活へ深刻な影響が及んでいます。飲食や宿泊、地域の公共交通機関など、特に厳しい状況が続く業界もあります。生活資金、雇用調整助成金など、できる限りの支援を継続します。また資金繰りについては十分な資金と、規模や状況に応じたさまざまな支援策を用意しており、事業者の個別の相談を伺って丁寧に対応してまいります。また昨年以来、特に女性の自殺者が増えていることに大変心を痛めており、対策が急務です。女性の非正規や一人親の方々をはじめ、就業に困難を抱えている方々について、ITスキルなどの訓練の機会を大幅に広げ、できる限り希望に沿った就業がかなうよう、寄り添った支援を行ってまいります。 また外出自粛が続く中で、望まない孤独や孤立で不安を抱えている方々がたくさんおります。先日、そうした方々を支援するボランティアの代表の皆さんから私自身、切実な声を伺い、社会全体で取り組む必要性を強く感じました。子供の見守りや自殺防止の相談を行う団体にも積極的に支援をしていきたい、このように思います。こうした深刻な問題に対し、今月中に関係閣僚による会議を開催し、緊急の支援策を取りまとめます。 世界でもコロナウイルスとの闘いは続いております。しかしながら、欧米に比べてわが国の感染者数は格段に少なく、失業者は諸外国の中でも極めて低い水準にあります。これはこの1年、国民の皆さんや事業者の方々が真剣に、そして懸命に取り組んでいただいた結果であります。 今、総理大臣の私がなすべきことは、これまでの成果を確実なものにし、リバウンドを阻止し、宣言を解除できるようにすることです。緊張感が緩んできている。こうした意見もある一方で、もう限界だと、こうした声があることも承知しております。こうしたさまざまな声にも思いを巡らせながら、私自身、もう一段、対策を徹底する決断をいたしました。 国民の皆さまには大変申し訳ない思いですが、皆さんの命と暮らしを守るために、そして安心とにぎわいのある生活を取り戻すために、いっそうのご協力を心からお願い申し上げます。以上であります。