【能登半島地震から1年】正月こそ、家族・親戚と確認すべき3つの“防災対策”
身の回りの危険を見直す
防災について家族や親戚と話し合う際、重要なのが身の回りの危険箇所の確認です。自身の家のほか、帰省先の両親の家、親戚の家の中、周辺環境も含め、1人で考えていると見落としがちな危険も、家族や親戚がそれぞれの視点で見直すことで新たな発見があるものです。 例えば、自身の家の中の危険な場所や家具の転倒の可能性、通勤・通学路で気になる場所、建物の老朽化が気になるところ、地震や豪雨で通行止めになりそうな道、災害時に人が集中して通れなくなることが予想される地点など、日常的な行動範囲で気付いた危険について、お互いに情報を持ち寄ってみましょう。 また、それらの危険にどう対処するか、家族や親戚で知恵を出し合うことで、より実践的な対策が見えてくるはずです。その際、季節や時間帯による違いなども想像してみると、より具体的な対策を考えることができます。
広域での支え合いを考える
正月の親戚付き合いは、災害時の広域的な支援体制を考える良い機会です。特に、被災地から離れた場所に住む親戚との関係は重要です。 大規模災害が発生した際、被災地域外への避難は重要な選択肢の一つです。もちろん、仕事や学校など、さまざまな事情でその土地を離れられない場合もありますが、可能な人が被災地域外に避難することで、支援を必要とする人の数を減らすことができます。これは避難する人自身の負担を軽減するだけでなく、被災地に残る人々への支援の質も向上させることにつながります。 正月の集まりの際に、「もし何かあったら、うちに来てね」といった具体的な話をしておくことで、いざというときの選択肢を広げることができます。また、災害伝言ダイヤルのような公共サービスよりも、被災地外の親戚を情報共有の拠点とする方が確実かもしれません。被災地外の親戚宅を集合場所として設定するのも、現実的な選択肢の一つです。
土地勘のない場所で防災を見直す
帰省や旅行は、普段と異なる場所での防災を考える良い機会です。特に自身の子どもたちにとって、祖父母がいる帰省先は不慣れな場所であり、災害時にどう行動すべきか分からない可能性があります。 この機会に、滞在先周辺のハザードマップを確認したり、避難経路を実際に歩いてみたりすることをお勧めします。このような習慣は、将来の旅行時や出張時の防災意識にもつながります。特に子どもたちと一緒に確認することで、「知らない土地に行ったら、まず安全確認をする」という意識が自然と身に付きます。これは子どもたちの将来における災害リスクを大きく下げることにもなるのです。 能登半島地震においても、土地勘のない場所で被災された人が多くいらっしゃいました。避難場所や危険箇所が分からず困った人も多かったと思います。しかし、たった数分の事前確認をしておけば、リスクを大きく下げることができるのです。