楽天に3連敗した”満身創痍”の西武・辻監督が嘆く「ウチは力のない状態に…」
本拠地メットライフドームのスコアボードに「0」が刻まれていく。しかも、放ったヒットの数も選んだ四球も「0」のまま、つまりパーフェクトに抑えられた状況で西武は6回裏を迎えていた。 楽天の連勝で迎えた8日の3回戦。1日のロッテ戦で2回途中、10失点KOを喫していた楽天の2年目右腕、瀧中瞭太の緩急を駆使したピッチングの前に沈黙した西武は、2番手・酒居知史、守護神・松井裕樹にも封じ込まれ、0-4と今シーズン初の完封負けを喫した。 敵地PayPayドームで昨シーズンの王者ソフトバンクに3連勝し、首位に立って凱旋してきた本拠地で食らわされたまさかの3連敗。前夜に楽天へ首位の座を明け渡し、この夜はさらにゲーム差を広げられた西武の辻発彦監督は「力負けです」と嘆き、楽天の好調ぶりを称えるしかなかった。 「(楽天の)投手陣もすごく充実していて、打線も調子がいい。この3連戦に関しては、ウチが力のない状態になっていた、ということ。次の(対戦の)ときにこの借りを返せるようにしたい」 オリックスに2勝1敗と勝ち越した開幕カードで、2000本安打まであと72本に迫っている37歳のベテラン、栗山巧が下肢の張りを訴えた。ベンチ入りメンバーから外して様子を見ていたが、3月30日の日本ハム戦で今シーズン第1号アーチを放った直後に左ハムストリングに軽い肉離れを起こした主砲・山川穂高とともに、同31日に出場選手登録を抹消された。 開幕戦で4番と5番を担った主軸が、2カード目でそろって戦線離脱する想定外の事態。追い打ちをかけるように、3日のソフトバンク戦で5番に入った外崎修汰が左足に死球を受けて退場。左腓骨骨折で長期の戦線離脱を余儀なくされた陣容が、辻監督をして「力のない状態」と嘆かせた。 初戦で岸孝之、2戦目で則本昂大に敗れて迎えた楽天との3戦目。辻監督は森友哉、中村剛也に続くクリーンナップの一角に、プロ初アーチを含めた2発を放っている6年目の呉念庭を抜擢。6番にはこの日に出場選手登録したばかりの同じく6年目の愛斗を、7番には前夜にプロ1号を含めた猛打賞をマークしていたドラフト4位ルーキー、若林楽人(駒澤大学卒)を並べた。 ピンチのときこそ逆にチーム力が問われる。チャンスを生かしてほしいと送り出された若林が、先頭で右打席に入った6回裏に三遊間を破るチーム初安打をマーク。愛斗もマウンドが酒居に代わった8回裏にセンター前ヒットで出塁したが、結局、打線が放った安打はこの2本だけだった。 「立ち上がりはよくなかったんだけどね。いけるかなと思ったけど、あれよ、あれよ、で抑えられたね」