体操塚原、オーストラリアの五輪代表へ ── 塚原の飽くなき挑戦
塚原は日本代表として1996年アトランタ五輪、2000年シドニー五輪、2004年アテネ五輪に出場。アテネでは男子団体金メダルを獲得し、2006年まで日本代表メンバーとして世界選手権などで活躍した。 ところが2008年北京五輪の国内予選でわずかに及ばず、代表落ち。すると、2009年からはオーストラリアに体操留学し、同国代表として自身4度目の五輪出場を目指すようになる。拠点もオーストラリアのブリスベンに移し、現地では若手の指導にも当たりながらトレーニングを継続。2011年には同国の永住権を取得した。 国籍取得が間に合わなかったため2012年ロンドン五輪出場を逃したが、「体操を通じて日本とオーストラリアの懸け橋のような存在になりたい」と、目標を2016年リオ五輪に切り替えて現役を続行。ベルゴーで開催された昨年の世界選手権に、初めてオーストラリア代表として出場した。 今回はリオ五輪まであと2年というタイミング。塚原は、「目標はリオに団体での出場権を獲得し、チームとして出ることだった。けれども、五輪の2年前で今回のような結果(26位)だったということで、団体での参加は現実的には難しくなっている」と言い、「リオには個人枠での出場を目指すことになると思う」という見通しを語った。五輪では、団体出場権を手にすることができなかった国には「個人1枠」が与えられており、この枠でリオを目指すというのだ。 では実際のところ、同国内での塚原の実力はどのようなものなか。 塚原はオーストラリア選手権で2009年から今年まで6年連続で個人総合で最高得点をマーク。国籍を取得してからは「オーストラリアチャンピオン」となっており、実績は申し分ない。 リオ五輪に向けても、このオーストラリア選手権で優勝することが最低条件となってくるだろう。この大会がリオ五輪代表選考会を兼ねることになるからだ。 ただし、これがすべてを満たすものにはならない可能性もあるので、注意が必要だ。オーストラリア体操協会が「五輪参加標準スコア」を設定した場合は、同時にそれをクリアする必要も出てくるからだ。