アサヒ飲料が導入した「2年目リフレクション研修」、その狙いと内容とは?
■ 上司からの手紙で期待を高める 参加する新入社員の上司には、事前に「上司からの手紙」を書いてもらう。研修の終わりに新入社員に上司からの手紙を渡すことで、「期待」を伝える。 これには、前述の「仕事の評価ポイントの多様化」と「仕事の意義付け」が直結してくる。面と向かって話すと話せないことでも、案外このように手紙という形式で、受け手の状況を配慮しながら伝えることは効果的な手法である。 手紙という形式は、書くほうも人格が現れるし、受け手も組織人格として活動している自分だけではなく、個人人格としての自分も配慮してもらうことにより、全人格的にサポートしてくれる感覚を得られるものである。 社内でもチャットのようなSNSコミュニケーションなどが主流になりつつある今だからこそ、じっくりと思いを伝えることができる手紙の重要性が増してきているのかもしれない。 ■ 取り組みのポイント ここでは、「2年目リフレクション研修」の概要について説明したが、同社におけるスタートアップ期の研修は、内定者時代から3年目まで随所に設けられ、それらすべてにつながりを持たせて設計している点に特徴がある。 2年目リフレクション研修でも、新入社員が内定者時代につくった「セルフミッション」を見返すことで、いま一度自分の考えを再認識し、ミッション遂行を支援できるようにしている。 ■ 取り組みの成果 2年目リフレクション研修の受講者からは、次のような声が寄せられている。 周りがどんな壁にぶつかっているのか、どのような思いで仕事に取り組んでいるのかを知ることができ、悩んでいるのは自分だけではないと安心できた。周囲の頑張りを知ることができ、モチベーションが上がった。 変えられないことに気を取られ過ぎている自分にあらためて気付くことができた。 上司からの手紙を読んで、今後も頑張ろうと思えた。自分のことをしっかりと見てくださっているからこそ、自分の良さと的確なアドバイスをいただくことができ、嬉しかった。自分が意識していた部分を「成長している」と認めていただけたので、引き続き実践していきたい。 仕事を進めていく中で不安を感じていたことに対し、今後の進め方やアドバイスをいただき、不安が一気になくなった。
小栗 隆志